連載の第1回ではクラウドソーシングによって、これまで中小企業には難しいと言われていた、海外オフショア開発がいとも簡単に実現できる時代になったとお話しました。

 とはいえ、実際にクラウドソーシングを活用して海外のエンジニアと一緒に仕事を進めるとなると、クラウドソーシングサービスの使い方はもちろん、英語によるコミュニケーション、文化の違いや時差、オフショアでのソフトウエア開発手法など、押さえておかなければならないポイントがたくさん出てきます。

 そこで第2回は、クラウドソーシングで変わる仕事の進め方を紹介します。僕らがオフショア開発の経験から得た知識を基に、クラウドソーシングの活用法を解説しましょう。

多種多様なスペシャリストと仕事ができる

 第1回でクラウドソーシングは中世ヨーロッパのギルドのようなものである、と説明しました。国内はもちろん、海外にいる多種多様なスペシャリストに仕事を依頼して、これまでよりもスピーディーに、そして低コストで成果を得ることが可能になります。

 では具体的に、行ったこともない遠い国にいるクリエーターやエンジニアに、どうやって仕事を発注するのかというと、現在国内外に次々と登場しているクラウドソーシングのプラットフォームを使います。

 クラウドソーシング時代の到来とともに、プラットフォームを提供している企業もだいぶ増えてきました。国内ではCrowdWorks(クラウドワークス)やLancers(ランサーズ)、海外ではoDesk(オーデスク)やELance(イーランス)が人気になっています。ソーシャルゲームなどのイラストに特化しているMUGENUP(ムゲンアップ)や声優などの音声に特化しているVoip!(ボイプ)など、ニッチな需要に特化したサービスも現れています。

 そのなかで、僕らが選んだのはoDeskでした。oDeskは優れた評価システムや過去の仕事歴、ポートフォリオ、独自テストシステムを備えています。また、法人を含む100万以上のフリーランサーが仕事を引き受けており、時給1ドルのデータ入力から時給50ドルを超えるPh.D(博士号)保持者による高度な仕事まで、様々な仕事の受発注が活発に行われています。

 特にoDeskには、Webアプリケーションやスマートフォンなどのシステム開発、デザインを手がけるクリエーターやエンジニアが多く登録しているため、僕らはoDeskを使うことにしました。この連載では基本的に、このoDeskをベースにクラウドソーシングの活用方法を解説していきます。