最近は、どこの企業に行っても、ヒューマンエラーの話をよく耳にします。私も一緒になって、なぜなぜ分析をしたりするのですが、ヒューマンエラーを分析するのは、なかなか骨が折れるもの。
どうしてかというと、分析対象が機械などの場合は文を書くにしても、決まりきった言い回しを用いればよいのですが、人の行動や考え方を表現するのは非常に難しいからです。
対象が人の場合は、表現の仕方で、分析の良しあしが決まってしまいます。そこで今回は、ヒューマンエラーを分析する際のコツについて紹介しましょう。
ヒューマンエラーによくありがちなのは「判断の間違い」です。例えば、機械を動かしていたAさんが、Bボタンを押したところ、機械Bの動いた先にいたCさんに危害を加えてしまった、なんてことがあったとします。
皆さんはこんな場合、以下のようになぜなぜ分析していませんか。
このように分析していくと「なぜ3」に出てくるのは、「作業指示があった」「生産を開始しようと思った」といった、原因追究にならない「なぜ」になってしまいます。
余程なぜなぜ分析に手なれた人でない限り、この後の「なぜ」を適切に導くことができません。
そこで、このような「判断の間違い」を表す場合には、「~にもかかわらず、~してしまった」という表現を使えばよいのです。
では、上記のなぜなぜ分析を修正してみましょう。
いかがでしょうか。このようにすることで、この後に適切な「なぜ」が導けます。例えば「なぜ2」の次の「なぜ3」には、「Bの先にCさんがいるとは思わなかった」とか、「Bの先を見ていなかった」などが出てくるのではないでしょうか。
決して「生産をする」といった、変な「なぜ」を出す人はいないでしょう(でも、なかにはひねくれた人もいますが・・・・)。