2013年11月1日、9.7インチのディスプレイサイズを維持しながら大幅な軽量・コンパクト化を図った、アップルのタブレット「iPad Air」が発売された。また、7インチクラスのタブレットの人気も高まりつつあり、利用者も増えてきている。

 こうした軽量なタブレットが人気となることで、アプリマーケットにも徐々に変化が出てきているように感じる。App Storeの動向を含めながら、今後のタブレット関連アプリマーケットの動向について考察する。

軽量・コンパクトなタブレットが市場トレンドに

写真1●アップルが新たに投入したタブレット「iPad Air」
写真1●アップルが新たに投入したタブレット「iPad Air」
9.7インチのディスプレイサイズはそのままに、大幅な軽量・コンパクト化がなされている。
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 11月1日に発売されたアップルのiPad Airは、人気タブレット「iPad」の後継としてだけでなく、さまざまな要因から注目を集めている(写真1)。特に注目されているのが、大幅な軽量・コンパクト化だ。

 iPad Airは64ビットCPUの「A7」を搭載するなど、従来のiPadより性能的に向上。一方で、狭額縁化技術によって幅が1.6cm小さくなったのに加え、パーツの見直しなどにより厚さも従来より1.9mm薄くなった。Wi-Fiモデルで469gという、10インチクラスのタブレットとしては驚異的な軽さも実現した。

 従来、iPadは持ち運ぶのに「重い」という声が多く聞かれ、「タブレットは家庭で利用するもの」というイメージが定着した要因にもなっている。だがiPad Airはそうしたイメージを大きく覆す重量・サイズを実現。iPad Airを外に持ち出して使う人も増えるものと考えられる。

 一方、iPad Airの登場以前より、活況を呈しているのが7インチクラスのタブレットだ。ここ1~2年で、グーグルの「Nexus 7」など低価格を武器とした7インチクラスのタブレットが急増したのに加え、アップルが「iPad mini」を投入したことにより、小型のタブレットが急速に広まった。今や市場の中心的存在となっている。

 7インチクラスのタブレットの広まりは、タブレットを外に持ち出して使う人を確実に増やしている。実際、スマートフォンの画面では狭いと感じる人が、より大きな画面を欲してタブレットを持ち歩くケースが、都市部ではよく見られるようになった。