NECの2013年度中間決算の発表会に行ってきました。連結売上高は前年同期比4.5%減の1兆3831億円、営業利益は前年同期比99%減の3億7900万円で、不振と言われても仕方がない結果です(関連記事:「NECの上期決算は減収減益、スマホ撤退の影響大きく」)。

 檀上で説明する遠藤信博社長の言葉は論理的なのですが、どうしても業績に引きずられてしまいます。質疑応答でも、スマホ製造からの撤退や子会社であるNECビッグローブの今後が何度も話題になりました。中間決算発表会の趣旨とは異なるのかもしれませんが、成長に向けたビジョンをなかなか感じることができません。

 クラウド、ビッグデータ、ソーシャル、モバイルという四つのキーワードとNECの成長戦略の関係を尋ねました。スマホ事業から撤退し、ビッグローブの売却すら検討している中で、NECはこれらの大波を成長の糧にできるのか、ということが聞きたかったのです。

 要約すると遠藤社長の答えは、これらのキーワードが示す方向にNECも進もうとしているが、すべてを自社で持つ必要はない、というものでした。パートナーと協力しながら、インフラ関連のビジネスに注力するなかで成長への道筋を描くというのです。

 印象的だったのが、ビッグデータに関係する強みとして、顔面認証技術を挙げたことです。NECの技術力に対する遠藤社長の強い自負を感じました。