最近は新聞などで、不祥事の発覚後に「再発防止策」の文字を見かけるケースが多くなってきました。ですが、そんな記事を見るたびに「どの程度の再発防止策なのか、疑わしいぞ」と思ってしまうのは、私だけでしょうか。

 今回はしっかりと再発防止策を打っておかなければならない、クレームについて、なぜなぜ分析する場合の話をしましょう。

 もし皆さんが、クレームについて再発防止策を導かなければならない、という事態に直面した場合、どうしますか。私は3つの観点からなぜなぜ分析を実施するとよいと思っています。ぜひ、実施してみてください。

    例えば、

    (1)現場でミスを犯してしまった
    (2)そのミスを検査担当者や管理監督者までもが見逃してしまった
    (3)さらには顧客への対応にも落ち度があり、顧客を憤慨させてしまい、会社の信頼や売り上げまで失ってしまった

ということがあったとします。こんな場合には、以下の3つの観点について、なぜなぜ分析を実施し、それぞれについて再発防止策を導く必要があります。

     ・クレームの元を「作ってしまった」原因追究
     ・それを「見逃してしまった」原因追究
     ・さらに、その失敗を「拡大させてしまった」原因追究

 このことは、災害でも同じことが言えます。例えば、以下のことが発生したとします。

    (1)何かトラブルが発生し、それがもとで発火させてしまった
    (2)“鎮火”もままならず、大きな火災を発生させてしまった
    (3)おまけに死傷者まで出してしまった
 こんな場合も、先ほどのクレームと同様に「なぜ発火したのか」「なぜ火を大きくさせてしまったのか」「なぜ死傷者が出たのか」というように、3つの観点から検討する必要があります。

 一大事を発生させてしまった場合には、このようにいくつもの観点から分析することを忘れないで下さい。