XPからの移行作業に関して、ここまでの3ステップで見てきたこと以外にも押さえておきたいポイントがいくつかある。最後にまとめて紹介しよう。

 まずはアプリ移行に関するポイントである。基幹業務で使うアプリについては当然、検証や改修を適切に実施してから移行するだろう。しかし、部署単位で使っているバッチファイルやOfficeマクロなどの「ユーザー作成アプリ」については意外と見落としているケースがある(図1)。見落としたまま移行作業を進めると、移行後に「動かなくなった」といったクレームが殺到し、現場に混乱を引き起こす危険性がある。

図1●見落としがちなバッチファイルやOfficeマクロなどのユーザー作成アプリ
図1●見落としがちなバッチファイルやOfficeマクロなどのユーザー作成アプリ
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 情報システム部門でこうしたユーザー作成アプリまで面倒を見られないという場合でも、自由に触れる検証用PCを用意し、本番移行作業前にユーザー作成アプリの動作確認をしたり改修したりできる期間を設けたい。

 アプリの動作検証については、Internet Explorer(IE)のバージョンが異なることによる影響もしっかりと事前にチェックしておこう。バージョンの違いによって動作が異なるケースがあるのはもちろん、同じバージョンのIE同士でも、OSが違うと挙動が異なるケースがある(図2)。

図2●IEのイントラネット/インターネット判定基準問題
図2●IEのイントラネット/インターネット判定基準問題
日経SYSTEMSで実際に環境を作って検証した
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