今回は、先日米国の調査機関であるPew Research Centerが、John S. and James L. Knight Foundationと協力して発表した調査結果に触れてみる。調査結果はFacebookユーザーのニュースに対する接触と、その傾向についてまとめたもので、「The Role of News on Facebook(Facebookにおけるニュースの役割)」というタイトルで紹介している。

 この調査は、米国内5173人(うちFacebookユーザーは3268人)に対して、2013年8月下旬から9月上旬にかけて実施した。サンプル数5173を基に考えると、「米国成人の64%はFacebookのユーザーであり、その約半数(つまり米国成人の約30%)は、Facebookを経て何らかの形でニュースを知る」ことになるらしい。

 ただしFacebookからニュースを知るユーザーの約80%は、そもそもニュースを得ようとしてFacebookにログインしているわけではない。例えば友人の近況を確認するなど別の目的でFacebookを利用する際に、偶然ニュースを目にする傾向にあるようだ。

 特にこの傾向は、18歳から29歳にかけてのいわゆる若年層に比較的多く見られるようで、Facebook経由でニュースを知るユーザーの約30%を占めている。さらにこの年齢層に限らずFacebookユーザーの大半は、ニュースの情報源を気にすることはなく自分の興味あるニュースを得ると回答している。

 こういったユーザーにとってのニュースの情報元は、多くが4大ネットワークを中心としたテレビとなっており、全体の約半数近くを占めている。一方でケーブルテレビなどのニュース専門局、または新聞が情報元となっていると回答したユーザーは、それぞれFacebookユーザー全体の約20%と少ない。これは前回触れたように、ユーザーがテレビ視聴をしながら「セカンド・スクリーン」としてFacebookなどのSNSを利用しているという側面も大きい。

 番組内で関連サイトを積極的に紹介したり、特定のイベントに関するハッシュタグを告知するなどして、テレビ番組自体が積極的にSNSを含むインターネット上での参加を呼びかけるケースや、CMでも自社のFacebookページやTwitterアカウントを積極的に告知しているケースが増えているためだ。加えてメディアやジャーナリストなどの公式アカウントをフォローしているユーザーも多く見られ、これらが主だった情報元として活用されているようだ。