写真1●ITpro EXPO展示会での展示の様子(写真:新関雅士)
写真1●ITpro EXPO展示会での展示の様子
(写真:新関雅士)
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 ITpro EXPO AWARD 2013では6つの製品・サービスを優秀賞に選出した。その一つが、富士通の「Linked Open Data(LOD)活用基盤」だ(写真1)。政府機関などが公表する「オープンデータ」のリポジトリとなる。2012年に開始したアイルランド国立大学ゴールウェイ校のデジタルエンタープライズ研究所(DERI)との共同研究で生まれた、第一弾の成果となる。2013年内には無償の試験サービスを開始する。

 オープンデータは様々なデータ形式で公開されている。そのため、集約して分析するのが難しいという現状がある。こうした課題に対して、利用しやすいデータ形式でオープンデータを公開しようというアイデアが「Linked Open Data」(LOD)だ。物事をURI(Uniform Resource Identifier)で表現して、互いにリンクを張ったデータとする「Linked Data」の形式(データフォーマットはrdf)を使う。

 富士通のLOD活用基盤は、LODを集めて横断検索できるようにするためのプラットフォームである。「LOD自体が黎明期にある。まずは集めて検索すること主眼に置いている。最初の段階では、データを整理したり推論したりするところまではいかない」(富士通研究所の井形伸之ソフトウェア技術研究所インテリジェントテクノロジ研究部主任研究員)という。

データの「つながり」が分かるUIが特徴

写真2●Linked Open Data活用基盤の画面写真
写真2●Linked Open Data活用基盤の画面写真
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 LOD活用基盤はデータ間のつながりを直感的に分かりやすいUIで表現した(写真2)。データ同士のつながりを丸や矢印でつないで、ドリルダウンしながらデータを見ることができる。「国内では『Linked Open Dataはそもそも何か』『何ができるのか』という反応が多い。Linked Open Dataの使い勝手を味わってもらうため、UIにこだわった」(井形主任研究員)。