オリンピックをはじめとした大規模スポーツイベントのほか、「あまちゃん」や「半沢直樹」といった人気ドラマなどで、テレビ視聴とソーシャルメディアの相関性が取り沙汰されることが増加してきた。いわゆる「ソーシャル視聴」と呼ばれるものである。

 この傾向は日本に限った話ではなく、海外でも強まっている。2013年6月に米ニールセンが発表した調査結果によると、米国では約半数のタブレット/スマートフォンのユーザーが、テレビを視聴する際に、これらデバイスを「セカンド・スクリーン」として使っているという。

 毎日ではなく、週に複数回、「セカンド・スクリーン」使ってテレビを視聴しているのは、タブレット/スマートフォンのユーザー全体の約3分の2に上るようだ。

 彼らの多くは、テレビ視聴中にタブレットやスマートフォンを「一般的な情報を調べ」たり「Webサーフィン」したりする目的に使うだけでなく、「SNSの利用」や「(ドラマなどの)あらすじ、俳優やスポーツ選手、あるいはチームに関する情報の検索」やなどに使っていることも多い。しかも「セカンド・スクリーン」を使ってテレビを視聴しているユーザーの5人に1人は、「番組内で宣伝されている製品やサービスを購入する」と回答していた。

 こういった点を見ると、テレビ視聴中のユーザーに対するデジタル上でのコミュニケーション活動というものも、しっかり考えなくてはならなくなっているといえる。

 実際に、「セカンド・スクリーン」でテレビを視聴するユーザーへのコミュニケーションについて試行錯誤を始めている企業は少なくない。例えばあるスポーツブランドが、自社と契約しているプロスポーツ選手が出場する試合の中継で、その選手を応援するメッセージをハッシュタグ付きのツイートで集めるのは、その最たる例だ。こういった取り組みは、(測定されたツイート数などを集計した結果によって)一定の効果を上げていると評価されている。