古いマシンでも快適に使える軽量Linuxディストリビューションの新版が相次いで登場した。1つは、軽量Linuxの草分け的存在の「Precise Puppy Linux 5.5」を日本語化した「Puppy Linux 550JP」。もう1つは、省電力を目指す軽量ディストリ「wattOS R7 Microwatt Edition」だ。

 Puppy Linux 550JPは、Ubuntu 12.04 LTSベースの軽量Linuxディストリビューション「Precise Puppy Linux」を日本語化したLinuxディストリビューションだ(写真1)。日本語化パックや電源管理の「acpid-busybox」、テキストエディタ「nano」などを追加。軽量ワープロソフトの「AbiWord」や軽量メディアプレーヤーの「pMusic」などのバージョンを安定して動作するバージョンに更新している。

写真1 「Puppy Linux 550JP」のデスクトップ画面
写真1 「Puppy Linux 550JP」のデスクトップ画面
Ubuntu 12.04 LTSベースの軽量Linuxディストリビューション「Precise Puppy Linux」を日本語化した
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 Puppy Linux 550JPは、「パピーリナックスのページ」からライブCDのISOイメージとWindows環境向けのインストーラーをダウンロードできる。ISOイメージのサイズは172Mバイト。ISOイメージは、UbuntuやFedoraなどの標準ライティングソフト「Brasero」でCD/DVD-Rメディアに記録するか、「UNetbootin」でUSBフラッシュメモリーに書き込む。UNetbootinの場合はUSBデバイスへの書き込み権限が必要になるので、

$ sudo unetbootin 
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と入力して使う。

 作成したライブメディアで起動すると、軽量ウィンドウマネジャーのJWM(Joe's Window Manager)を使ったデスクトップ画面が現れる。日本語フォント、かな漢字変換ソフト「Anthy」を導入済み。最初につまずきやすいネットワーク設定ツールが日本語化されているため、誰でも使える軽量Linuxに仕上がっている(写真2)。

写真2 日本語による案内でネットワーク設定がスムーズに
写真2 日本語による案内でネットワーク設定がスムーズに
「Puppy Network Wizard」を使いウィザード形式で無線LANの接続設定を進める
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 Puppy Linuxはオンメモリー型の軽量ディストリビューション。起動後はライブメディアへのアクセスを極力抑える作りになっているため、アプリケーションの動作は軽快だ。ユーザーデータは、USBメモリーやハードディスクに変更内容を記録したファイルを生成する形で保存する。

 試しに、メモリー512MバイトのPCで利用した際の空きメモリーは131Mバイトだった。なお、推奨メモリーは256Mバイト以上だ。