小売店舗がデジタル化を進め、監視カメラから顧客の性別や年齢を読み取り、WiFiアクセスポイントからスマートフォンの個人情報を抜き取る。デジタル世代に生活している我々は、いかに個人情報を守るべきか。このレポートでは、プライバシー保護のためのユニークな技術を、それらが内包しているメッセージと共に考察する。

顔認識を無効にするメイクアップ

 ahprojects.comはBrooklyn (ニューヨーク州) に拠点を置く企業で、ビジネスや技術課題に、ユニークな視点から取り組み、組織代表のAdam Harveyは、プライバシー保護のアイディアを提案している。街中や店舗内には監視カメラが設置され、消費者の顔認識 (Face Detection) が行われている。Face Detectionとは、監視カメラで捉えた映像をソフトウエアで解析し、イメージに顔が存在するか判定する技法である。CV Dazzleというプロジェクトでは、メイクアップやヘアースタイルで、Face Detectionを回避する研究が行われた。メイクアップやヘアースタイルで、Face Detectionのロジックを無効にできるのかが試された。上の写真 (出典はいずれもahprojects.com) がその結果で、上段の女性のメイクは、Face Detectionで顔として認識されなかった。