これまで当たり前と思われていたソフトウエア開発の在り方が変わろうとしている。それは開発言語の仕様が改善されたとか、全く新しい効率的なフレームワークが登場した、とかいうレベルの話ではない。ハードウエアの調達、環境構築からソフトウエアの開発、運用、またそれらに関わるプロジェクトの管理手法まで、あらゆる面で変化が起き始めている。

 これらの変化は革新的なテクノロジーやサービスの“同時多発”的な登場がきっかけで始まり、それによって、これまで地方の企業や中小企業にとっては夢のまた夢でしかなかった環境が、いとも簡単に手に入るようになった。潤沢な資金がなくても「アイデアで勝負できる時代」がやってきたのだ。

 2009年、リーマン・ショックの最中にあえて、世界で最も安定した企業の1つであるマイクロソフトを当時の上司と2人で飛び出し、営業とマーケティングの戦略立案、および人材育成を支援するコンサルティング事務所、ピアズ・マネジメントを石川県金沢市で共同創業した著者。コンサルティングや研修だけではなく、最先端のサービスである「クラウドソーシング」を活用しながら独自のサービスを作り上げ、しかも運用を行いながら、どうやって次々と機能を拡充させているのか。

 クラウドソーシングの裏にある苦労や失敗談、さらには世界中の人たちとクラウドソーシングでつながるには欠かせない英会話習得のために敢行したフィリピン留学時のドタバタまで、シリーズとして連載する。

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