今回の調査では、全26部門で顧客満足度をランキングした。ランキング表を前にすると、得てして順位ばかりに目が奪われがちだが、それだけではもったいない。データを役立てるためのポイントを図6に示した。

図6●ランキング表のチェックポイント
図6●ランキング表のチェックポイント
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 特に参考にしてほしいデータの一つが、評価項目ごとのスコア(点数)である。総合満足度が1位であっても、ある評価項目については著しく評価が低い場合がある。顧客がその評価項目をどれくらい重視しているかは「重視度」のスコアとして示した。

 「継続意向度」も要チェックだ。これは、今後もそのITベンダーの製品・サービスを使いたいかどうかを指標化したもの。顧客満足度が1位でも、継続意向度が高いとは限らない。「満足しているけれど、その製品にこだわりはない」といったケースが当てはまる。

 こうした分析を通して、ユーザー企業は自社のIT戦略に合ったITベンダーを見つけてほしい。ITベンダー側は、強みをさらに伸ばし、弱みを克服するヒントを見つけていただきたい。第3回の「求む!“熱血”パートナー」で紹介する、回答企業の“生の声”も参考にしてほしい。

目次

 調査対象は全国1万1134の企業または団体・組織の情報システム部門。新興市場を含む全国の証券取引所に上場している企業と年間売上高200億円以上の未上場企業、および官公庁(中央官庁)と村を除く地方自治体(都道府県、市、区、町)に対し、情報システム部門担当者あてにアンケートを郵送した。調査期間は2013年5月7日から6月12日までで、1725件の有効回答を得た(有効回答率は15.5%)。調査は「日経コンピュータ」が企画した。その際、日経BP社のICT分野のシンクタンクである「日経BPイノベーションICT研究所」の協力を得た。調査の実施・集計は日経BPコンサルティングが担当した。

 調査の回答者は、製品・サービスの部門ごとに勤務先で利用している製品やサービスのITベンダーを最大2社まで選択したうえで、8個または9個(部門によって異なる)ある評価項目ごとに4段階(満足、やや満足、やや不満、不満)で評価する。集計時は満足度が高い順に100点、66.7点、33.3点、0点と配点し、ITベンダーごとの評価項目の満足度の平均値を算出し、それぞれをITベンダーのスコア(点数)とした。調査の回答者は、評価項目の中で重視している項目を3個または4個(部門によって異なる)選択。重視している項目の割合を製品・サービス部門ごとに算出し、その製品・サービス部門の「重視度」とする。ランキングの元となる総合満足度は、各評価項目の満足度のスコアを重視度に応じて加重平均して求めた。満足度とは別に「継続意向度」も調査した。回答者が選んだITベンダーの製品・サービスを次回も購入したいかを尋ね、4段階(ぜひしたい、まあしたい、あまりしたくない、絶対したくない)で回答する。満足度の算出方法と同じように、継続意向が高い順に100点、66.7点、33.3点、0点と配点し、ITベンダーごとに平均値を算出。それを「継続意向度」のスコアとした。この継続意向度は顧客満足度の算出には用いていない。

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