2013年9月18日より各国で順次iPhone/iPad向けの新しいOS「iOS 7」の配信が始まった。iOS 7ではアイコンデザインが大幅に変更されるなどインタフェース面で大きく変化しているが、アプリの開発者・提供者にとって気になるのは、App Storeがどのように変化したかという点ではないだろうか。そこで今回は、iOS 7におけるApp Storeの変化を確認するとともに、今回の変化が、今後アプリ開発者にどのような影響を与えるかを考察する。

「子ども向け」カテゴリや「近くで人気」などの機能が追加

 日本では9月19日深夜より配信が開始されたiOS 7は、iPhone/iPadなどに向けたiOSの新バージョンである。新機種となるiPhone 5s/5cも、発売時点でiOS 7がインストールされていることから、今後は多くのユーザーが、iOS 7にシフトしていくことになる。

写真1●iOS 7のApp Store
写真1●iOS 7のApp Store
デザインだけでなく、いくつかの点が変化している
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 iOS 7は、アイコンデザインが大きく変化するなどインタフェース面が大きく変更された点が、特に注目されている。だがアプリ開発者が最も気になるのは、App Storeの変化だろう(写真1)。では一体、iOS 7に合わせて、App Storeはどのような点が変化しているのだろうか。

 iOS 7での大きな変化として、公表されているものの1つが「子ども向け」カテゴリの追加だ(写真2)。これは、文字通り子どもが利用しても安全な、子ども向けのアプリだけを取り揃えたカテゴリ。5歳以下、6~8歳、9~11歳と年代別に分類し、各年代に合わせたアプリを揃えている点に特徴がある。アップルは以前から子ども向けの取り組みに積極的だが、こうしたカテゴリの追加は、特に幼児向けの知育系アプリなどを手掛けるベンダーなどにとって有利に働くといえそうだ。

 もう1つの変化は「近くで人気」機能の追加だ(写真3)。これは、現在の位置情報を元に、現在地周辺のApp Storeユーザーに人気のアプリを紹介してくれるもの。より地域性の高いアプリがレコメンドされやすくなったといえるだろう。その一方で、従来あった「Genius」が削除されており、お勧めの仕方に対する方針の変化が見られるようだ。

写真2●新たに追加された「子ども向け」カテゴリ
写真2●新たに追加された「子ども向け」カテゴリ
子どもの年齢に合わせたアプリが用意されている。
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写真3●Geniusに代わって設けられた「近くで人気」機能
写真3●Geniusに代わって設けられた「近くで人気」機能
アプリのダウンロード履歴からではなく、現在地周辺のアプリがレコメンドされるようになった。
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