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IT Japan 2013レポート 「新しい価値創造を日本から」

オムニチャネル時代のセブン&アイネット戦略

実店舗の基盤生かしリアルとネットを融合、複数の販売チャネルをシームレスに接続---セブンネットショッピング 代表取締役社長 鈴木 康弘 氏

2013/10/01 ITpro

 小売業界が最も注目しているものの1つに「オムニチャネル」という概念がある。オムニは「あらゆる」の意味。店舗やEC(電子商取引)サイト、電子メール、ソーシャルメディアといったチャネル(顧客接点)をシームレスに統合し、どのチャネルでも顧客に同じ購買体験を提供しようというものだ。スマートフォンのような常に持ち歩ける端末が普及した結果、顧客は時間と場所を問わず買い物ができるようになった。あらゆる場面がチャネルになる時代を迎え、小売業もその変化への対応を迫られている。

センターからの配送に加え、実店舗から短時間で配送

セブンネットショッピング 代表取締役社長 鈴木 康弘 氏
セブンネットショッピング
代表取締役社長
鈴木 康弘 氏

 セブンネットショッピングはセブン&アイ・ホールディングスのグループ会社で、通販サイト「セブンネットショッピング」の運営のほか、グループのITサービス提供を一手に担う。セブン&アイ・ホールディングスはコンビニエンスストアをはじめ、総合スーパー、百貨店、金融サービスなど様々な業態を持つ。世界16カ国・地域で店舗を展開し、その数は5万店を超える。

 この実店舗の基盤を生かし、リアルとネットを融合させ、複数の販売チャネルをシームレスにつなげることで、オムニチャネルを実現する。セブンネットショッピングがセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入ったのは2006年。それ以来、6~7年をかけてリアルとネットの融合を目指す取り組みを続けている。

 ネット事業に、通販型とお届け型の2つのモデルを用意したのはその表れだ。通販型では、顧客が商品を注文すると、大規模な物流センターから全国に宅配する。セブン-イレブンの店舗で受け取ることも可能だ。お届け型では、顧客が商品を注文すると、全国のセブン-イレブンやイトーヨーカドーなどの店頭在庫から宅配する。

 通販型のメリットはロングテール型を目指し数多くの種類の商品を在庫として抱えられることだ。しかし、商品を届けるには1日から数日が必要だ。お届け型では、各地域の店舗からの配送になるため、在庫の種類は少ないが、通販型よりも短時間で配送できる。顧客ニーズ、商品の特性などに応じきめ細かく対応する。

圏内1800万人の販売データ、商品開発などにも活用へ

 セブンネットショッピングでは、今後もこの2つのモデルを軸にネット事業を進めていく。2013年には通販型の事業を強化するため、埼玉県にグループ初の本格的なネット事業用の延べ床面積1万5000坪の物流センターを設けた。自動化を進め、24時間稼働できるようになれば、注文から12時間以内に出荷し、関東圏内なら24時間以内の宅配が可能になる。

 グループ会社のネット事業の一本化もオムニチャネルを実現する重要な第一歩だ。コンビニエンスストア、百貨店、総合スーパーなど業態ごとに別々にWebサイトやサービスを用意していたが、顧客にとってもっと使いやすい形を目指し、現在、1つのWebサイトで全体が見られる形に統合中だ。

 同時に電子マネーnanacoやそのポイントサービスもグループ会社で横断的に利用できるようにする。ネットでもリアルでも同じように電子マネーが使えて、ポイントも共有できる形を目指す。

 ネット事業をマーケティングに生かすこともオムニチャネルの実現に向けた取り組みだ。グループ会社のいずれかで買い物をする顧客は、世界で1日あたり約5300万人、国内に限っても約1800万人に達する。この膨大な販売データを商品開発などに活用する機会を増やしていく。PB(プライベートブランド)商品「セブンプレミアム」の商品開発に販売データなどを活用できるほか、個々の顧客にデータに基づいて商品をリコメンドするといった使い方も検討している。

 オムニチャネルに向けた取り組みはほかにもある。スマートフォンなどを利用しやすいように店舗内で高速インターネット接続を無料で利用できるセブン&アイグループの無料Wi-Fiサービス「セブンスポット」を整備し、セブンスポット会員やセブンネットショッピング会員向けに特別コンテンツやお得なクーポンの配布を通してリアルとネットの融合を図る。また、サイトのデザインや操作性に統一性を持たせながら、顧客が様々なデバイスを使いながらシームレスにショッピングできるようにも工夫する。

直接業務と位置付け、システム開発を内製化

 インターネットが普及した現在、企業の中で情報システムの位置付けは一段と重要になってきた。とりわけインターネット事業にはスピードと柔軟性が求められるため、情報システム開発の内製化は必要だと思う。情報システム部を間接業務と見る企業は少なくないが、セブンネットショッピングは直接業務と位置付けている。

 このため、SE(システムエンジニア)にはビジネスの尺度で物事を考えるように機会あるごとに伝えている。私もSEの出身だからよく分かるが、SEは技術先行で物事を考えてしまう傾向がある。単純に技術だけでなく、情報システムの納期、品質、コストの意識はもちろん、ビジネスのリターンとしてどのようなものが得られるか考えることを求めている。

 オムニチャネルの実現に向けてグループのネット事業の一本化などに取り組んでいるが、どちらかといえばアナログの小売業とデジタルのITを融合させるのはそう簡単ではないと思う。しかし、この融合は避けては通れない。

 スタートラインに立ったところだが、先人が築いてきた店舗網、商品開発力、接客力といったリアルの蓄積とネットの融合により、大きな可能性が生まれると信じ、前に進んでいきたい。

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