日経BPコンサルティングが2013年7月に実施した「携帯電話・スマートフォン“個人利用”実態調査2013」では、携帯電話やスマートフォンを介して利用しているサービスやコンテンツに対する支払額(月額または年額)も調査している。

 具体的には、オンラインショッピングやネットオークション、おサイフケータイを使った買い物/乗り物の支払い、さらにゲーム、動画、電子書籍、アプリ/ウィジェット、音楽である。これらの回答をもとに、携帯電話・スマートフォンを介して流通している金額“携帯・スマホ流通マネー”の年間総額を算出したところ、2013年7月時点で年間総額は4兆2213億円と推定できた(図1)。前回調査では2兆4698億円だったので、前年比で70.9%増と急拡大した。ここでも、従来型の携帯電話に比べてユーザーの操作性に優れるスマートフォンの拡大が、携帯電話を通じた流通マネーの拡大を後押ししている。

 特に大きく伸びたのがオンラインショッピング。市場規模は2兆1285億円となり全体のほぼ5割を占め、前年の1兆1221億円の1.9倍に拡大した。市場規模を算出した9分野のうち8分野で市場が拡大し、音楽コンテンツだけが縮小した。

図1●“携帯・スマホ流通マネー”の市場規模
図1●“携帯・スマホ流通マネー”の市場規模
[画像のクリックで拡大表示]

 その内訳を見てみよう。携帯電話またはスマートフォンを使ってオンラインショッピングを利用している人は33.9%(前回調査30.9%)で増加し、直近1年間に購入経験のある人の年間平均支払額は6万9608.3円(同5万9307.0円)と約1万円増加した。1日平均の回数は0.75回(同0.77回)で変わらない。

 本調査では、性×年齢区分による均等サンプリング(それぞれの区分ごとに200人で22区分)を採用している。そのため、市場規模を推定する際には、各区分の利用率と支払額を基にして、性年代別人口構成比などを考慮して市場規模を推定した。調査では男性の35~44歳と女性の40~54歳のオンラインショッピング購買金額が大きく、これが全体の市場規模を押し上げる結果となり、市場規模は2兆1285億円となった。

図2●携帯電話/スマートフォンでのオンラインショッピング利用
図2●携帯電話/スマートフォンでのオンラインショッピング利用
[画像のクリックで拡大表示]

 直近1年で購入している商品ジャンルは、「書籍、雑誌(電子書籍は除く)」(34.9%)、「食料品、酒、飲料(29.4%)、「衣料品、アクセサリー、ファッション」(28 4%)が上位に挙がった。