日本の携帯電話市場にスマートフォンが広がり出して約3年、販売店の店頭ではスマートフォンではない携帯電話を探す方が難しい状況になった。ただ古くからの携帯電話ユーザーには、スマートフォンに移行しないユーザーも少なくない。現時点でのスマートフォンの普及率はどの程度なのか。

 日経BPコンサルティングが2013年7月に実施した「携帯電話・スマートフォン“個人利用”実態調査2013」では、全回答者4400人のうち従来型の携帯電話(フィーチャーフォン)を1台だけ所有している回答者は58.9%いた。前年の調査結果である71.6%を13ポイント弱も下回ったものの、過半数が従来型の携帯電話を使っている計算だ(図1)。

図1●携帯電話/スマートフォン利用者の内訳
図1●携帯電話/スマートフォン利用者の内訳
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 スマートフォンを1台だけ所有している回答者は33.7%で、前年調査の21.1%から大きく伸びている。ここで携帯電話やスマートフォンを2台所有している(2台持ちしている)回答者は7.1%で前年と変わっていない。つまりスマーフォンが伸びた分だけ従来型の携帯電話の市場が縮小したといえる。

 2台持ちのユーザーのうち、スマートフォンを使っているのは80.2%。これを全回答者に換算すると5.7%となる。つまり1台持ちと2台持ちを合わせたスマートフォン・ユーザーは全回答者の39.4%と4割近くに達する。これは前年の26.2%から13ポイント強、伸びた計算になる。

 本調査でいうスマートフォン利用率とは、性×年齢区分による均等サンプリング(それぞれの区分ごとに200人で22区分)からはじき出した数値である。この値を総務省が調査した人口統計(平成25年2月)に合わせて補正することで国内のスマートフォン普及率(人口比)をはじき出せる。補正の結果、2013年の普及率は28.2%となり、前年の18.0%から10ポイント以上伸びた(図2)。

図3●年齢層別スマートフォンの利用率
図2●スマートフォンの利用率と普及率の年次推移
利用率は性年代別に均等サンプリングした場合。普及率は日本の人口構成比を考慮して推定した場合。2010~12年は6月調査で、2013年は7月調査
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 本調査が、スマートフォンの利用率と普及率の算出を始めたのは2010年から。当時は利用率が5.2%で普及率が4.0%だったが、3年でここまでの成長を遂げている。この勢いが鈍ることは現時点では考えづらく、2014年には利用率が半数を上回る可能性が高いとみてよいだろう。