小売店舗がAmazon.comの手法を参考に、急速にデジタル化している。RetailNextというベンチャー企業は、店舗に設置されている監視カメラの映像を解析し、顧客の線動を把握し、売上向上のためのソリューションを提供している。

監視カメラを顧客動向解析に利用

 RetailNextはSan Jose (カリフォルニア州) に拠点を置く企業で、店舗内に設置されている監視カメラで顧客の動きをモニターし、販売促進のソリューションを提供する。

 上の写真がその様子で、監視カメラで顧客の動きを追尾する。写真左手が入口で、顧客の出入りをカウントする。入店した顧客については、店内での動きを追尾し、どの棚で立ち止まったかなどを記録する。顧客の特定商品への関心の度合いを把握できる。線動を重ね合わせるとヒートマップとなり、顧客全体の流れを把握できる。これを元に、プロモーション結果を検証し、ショーケースのレイアウトを最適化することができる。RetailNextで計測した顧客数を、売り上げデータと統合すると、入店した顧客のうち、何人が買い物をしたのか、コンバージョン率を計測できる。

 人事システムと連動すると、店舗内の込み具合とスタッフの配置人数を解析し、人員の最適化を行う。オンライン・ショッピング・サイトは、アナリティックス・ツールを利用して、訪問者数、ページ閲覧回数、購買者数などの基礎情報を収集しているが、RetailNextはリアル店舗向けに、監視カメラの画像を解析して、これらの情報を収集する。RetailNextは、大手衣料品店であるAmerican Apparelなどで利用されている。

 RetailNextの特徴は、既設の監視カメラを利用することで、機器の設置が不要な点にある。