米国時間の2013年9月10日、米アップルから最新のiPhoneである「iPhone 5s」と「iPhone 5c」が発表された。国内においてもNTTドコモが新iPhoneを扱うことが発表されたことから、大きな話題となっている。
それでは、新iPhoneの発売によって、国内のアプリマーケットにはどのような影響があるのだろうか。2回にわたって見ていこう。今回は、新iPhoneの国内販売の影響を考察する。
“2機種投入”“NTTドコモが取扱い”など話題をもたらす新iPhone
これまでも、新機種投入の度に大きな話題をふりまいてきたアップルのiPhoneだが、今年は従来と異なる点で、大きな話題となっている。
まず、iPhoneの新機種が2機種だったということ。64ビットCPU「A7」や指紋認証などの新機能を搭載したiPhone 5の進化系となる「iPhone 5s」に加え(写真1)、スペック的にはiPhone 5とほぼ同様でボディにポリカーボネイト素材を用い、5色のポップなカラーで展開する「iPhone 5c」の2機種が投入された。
もう1つ、日本で大きく注目されるいるのは、NTTドコモがiPhoneを初めて取り扱うことだ。では今回の新iPhoneの発売が、アプリマーケットにどのような形で影響をもたらすと考えられるだろうか。今回は特に新機種の販売面から、その動向を推測する。
“ドコモiPhone”で短期的にはApp Storeが優位に
まず、国内市場で真っ先に考えられる変化は、やはりNTTドコモがiPhoneを販売し、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3事業者がiPhoneを扱うようになったことだろう。これによってもたらされる変化は、iPhoneの販売シェア向上である。
従来、NTTドコモはAndroid端末しか扱っておらず、iPhoneを扱う場合も2~3割の販売シェアにとどめたいと話していた。販売シェアのコミットメントに関しては公にされていないが、仮にNTTドコモの販売量のうち、2~3割の販売シェアを獲得したとしても、それはアップルにとって、従来にはない大きなプラス材料になる。
もちろん、NTTドコモのiPhoneは、「spモードメール」などのサービス対応がiPhoneの販売開始時には間に合わないこともあり、それが販売にどのような影響を与えるかは蓋を開けてみないと分からない部分がある。だがそれでも、販路が増え、ユーザーが購入しやすくなったことに加え、日本でのiPhone人気の高さ、“みんなが使っている”という安心感によって、当面はiPhoneの販売シェアが高まると考えられる(写真2)。