先日、ある勉強会に参加した際に、参加者同士で「自分の原点は何か」を語り合う時間がありました。「今の職業や会社を選んだ理由、きっかけ」をそれぞれに紹介しました。

 一人2、3分で終わるかと思いきや、誰もが語ること、語ること。数年のキャリアしか持たない20代の人も、30代、50代の人も同じくらい熱心に話します。しかも、その様子が皆楽しそうで、話し終えた時はすがすがしい表情をしていました。

 明るい表情になったのは、「私はこういうことがしたくて、この職業、この会社を選んだのだな」と再確認できたためかもしれません。日々の仕事に追われていると、私たちはこうした「原点」をつい忘れてしまいがちです。

 「今の職業や会社を選んだきっかけは?」という問いに即答できない人も、大勢と語っているうちに徐々に思い出してきます。「今、○○さんの話を聞いていて思い出しましたが、自分にもちゃんとした理由がありました」と語り始めるのです。

 原点を思い出すことは、モチベーションを再燃させるのにとても役立ちます。自分の初心がどこにあったのか、今も同じ思いや考えを持っているのか、それとも、以前と比べて変わったのか、などを整理できるからです。

 自分の思いや考えが変わっていないのであれば、自分の軸は何で、どんなことを大切にしながら仕事をしてきたのかを再確認できます。思いや考えが変わった場合も、どんな理由で変わったのか、今はどういう風に自分の軸を捉えているのかを見つめなおすきっかけとなります。