Q:研修に部下を送り出してくれない上司がいます

 技術部門の教育担当をしています。質問が2つあります。

 本部内のミッションとして、技術力を上げる/スキルアップする、ということで、本部内研修を企画しています。しかし、多忙を理由に、参加者が集まりません。各部長も「部下は皆忙しいから参加させたくない」と言い、研修を実施できない状況です。

 そんななか、最近障害が頻発しているので、スキル向上を図るべく問題解決研修を企画しました。それでもやはり、上長たちは必要性を感じていないようで、忙しさを理由に参加者をアサインしてくれませんでした。おそらく他の研修を企画しても、忙しさを理由に参加しないと思われます。費用については社長の許可を取り付けているのですが、研修に後ろ向きな部長を含め、社員を動かすにはどうしたらよいでしょうか。社員たちに聞いても「忙しいから行けない」という意見がほとんどです。

 また、研修に参加したからといって、すぐに該当スキルが身に付くかは分かりません。本部のミッションとしてスキルアップがあるため、まずは研修が思い付くのですが、研修以外にスキルアップできる方法を提供するとしたら、どのようなものがあるかを教えてください。

(通信関連会社・社員・女性)

A:「北風と太陽」「日常と非日常」を意識しよう

 ご質問は2つですね。忙しさを理由に研修に出てこない現場の人や部下を研修に出させない管理職をどう動かすか。そして、研修以外にスキルアップの方法はあるか、です。

 まず最初の質問ですが、結論をいえば「北風と太陽」です(図1)。

図1●「北風と太陽」と「日常と非日常」
図1●「北風と太陽」と「日常と非日常」
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 「北風」は、研修の参加を人事評価項目に加えて、欠席者は人事評価が下がる仕組みを導入すること。また幹部向け研修では、幹部の意識改革を図ること。一方、「太陽」は対象者がどんなに忙しくても出たくなるような面白い研修を創り込むこと、です。

 2つめの質問ですが、研修以外のスキルアップの場としては、通常はOJT(職場内訓練)があるわけですが、新人社員ならともかく、ある程度の経験年数がある人なら、「日常と非日常」を活用することだと思います。

 「日常」は日頃の自己啓発でスキルアップできる内容を、自己啓発方法と評価方法とを合わせて提供すること。「非日常」はイベントなどで日頃の活動を発表する場を創ること、です。