必ず老化していく会社組織への対策として、これまで大きく2つの施策について述べてきました。1つは短期的な個別課題への対策、いわば「対症療法」です。もう1つは新しい世代への世代交代です。

 世代交代に関しては単なる経営者や従業員の世代交代という意味ではなく、「組織としての世代交代」が重要でしたが、さらに根本に遡って考えれば、新しい世代の会社組織は、今の常識とは異なるものになっているかもしれません。社会変化や環境変化に伴って、会社そのもののあり方も変わっていく可能性があるからです。

「会社の老化対策」のためのフレームワーク

 まずこれまで解説してきた老化への対策を整理しておきます。を見て下さい。

 この図は、これまで本連載で述べてきた対策をフレームワークとしてまとめたものです。

 まず老化対策の「第0条」として「大前提」をベースにしています。これは会社が年数を経て規模を拡大するに従って起こる様々な不可逆的な現象のうち、会社の活力をそいで非効率なものにしていく現象、つまり「老化現象」が不可避であることや、どういうメカニズムでそれが起きるのかを理解した上でそれを受け入れるということです。まずはこれが基本中の基本です。