数あるアプリジャンルの中でも、比較的高額なアプリが流通しているものの1つに“ナビゲーション”がある。「Google Maps」などの無料地図アプリが市場を席巻しているとはいえ、地図や交通・観光情報など独自のノウハウが必要なことから、有料でも比較的ユーザーを集めやすい状況となっている。
では実際、ナビゲーション系アプリを取り巻く状況は現状どうなっており、どのような価格のアプリが高い売上を上げているのだろうか。また、今後さらに売上を増やすには何が求められるだろうか。マーケットのランキング状況を中心に、現状と今後について探る。
ナビゲーション系アプリは比較的高価格で流通
カーナビや徒歩ナビなど、ナビゲーション系のアプリはスマートフォンアプリの中でも人気の高い分野の1つだ。最近はGoogle Mapsがナビゲーション機能を備えるなど、無料アプリが大きく進化したことで、かつてと比べればビジネス的に厳しい面があるのは確かだろう。
だがそれでもなお、無料ツールにはない独自の情報や、きめ細かなナビゲーションのサポート、オフライン時でも利用できるダウンロード型の地図など、独自のポジションを獲得しているナビゲーションアプリは多く存在する。そのため、アプリマーケットの中では比較的高い価格を付けるアプリも見られる。
実際、各マーケットにおけるナビゲーション関連カテゴリ(App Storeは「ナビゲーション」、Google Playは「交通」)における有料ランキング上位100位の価格帯を確認すると、表1、表2となる。なお、Google Playはこのランキングにランクインしているアプリが100に満たないため、上位87アプリの集計結果となっている。
価格帯 | ランクイン数 |
---|---|
~100円 | 37 |
101~200円 | 20 |
201~300円 | 14 |
301~400円 | 11 |
401~500円 | 4 |
501~600円 | 3 |
601~1000円 | 3 |
1001~2000円 | 2 |
2001~3000円 | 3 |
3001~4000円 | 2 |
4001円以上 | 1 |
価格帯 | ランクイン数 |
---|---|
~100円 | 14 |
101~200円 | 28 |
201~300円 | 19 |
301~400円 | 9 |
401~500円 | 5 |
501~600円 | 2 |
601~1000円 | 3 |
1001~2000円 | 1 |
2001~3000円 | 2 |
3001~4000円 | 4 |
4001円以上 | 0 |
いずれのカテゴリも、必ずしもナビゲーション関連アプリだけを含んでいるわけではないため、低価格のアプリが多くを占める結果となっている。だが一方で、500円を超えるアプリ(表のオレンジ色の部分)の数がいずれも10を超えており、その多くがナビゲーション関連アプリとなっている。こうした点からも、アプリマーケットの中では、ナビゲーションアプリが比較的高価格で流通していることが分かる。