数あるアプリジャンルの中でも、比較的高額なアプリが流通しているものの1つに“ナビゲーション”がある。「Google Maps」などの無料地図アプリが市場を席巻しているとはいえ、地図や交通・観光情報など独自のノウハウが必要なことから、有料でも比較的ユーザーを集めやすい状況となっている。

 では実際、ナビゲーション系アプリを取り巻く状況は現状どうなっており、どのような価格のアプリが高い売上を上げているのだろうか。また、今後さらに売上を増やすには何が求められるだろうか。マーケットのランキング状況を中心に、現状と今後について探る。

ナビゲーション系アプリは比較的高価格で流通

 カーナビや徒歩ナビなど、ナビゲーション系のアプリはスマートフォンアプリの中でも人気の高い分野の1つだ。最近はGoogle Mapsがナビゲーション機能を備えるなど、無料アプリが大きく進化したことで、かつてと比べればビジネス的に厳しい面があるのは確かだろう。

 だがそれでもなお、無料ツールにはない独自の情報や、きめ細かなナビゲーションのサポート、オフライン時でも利用できるダウンロード型の地図など、独自のポジションを獲得しているナビゲーションアプリは多く存在する。そのため、アプリマーケットの中では比較的高い価格を付けるアプリも見られる。

 実際、各マーケットにおけるナビゲーション関連カテゴリ(App Storeは「ナビゲーション」、Google Playは「交通」)における有料ランキング上位100位の価格帯を確認すると、表1表2となる。なお、Google Playはこのランキングにランクインしているアプリが100に満たないため、上位87アプリの集計結果となっている。

表1●App Storeの「ナビゲーション」カテゴリにおける「トップ有料」上位100アプリの価格帯(2013年9月10日時点)
価格帯 ランクイン数
~100円 37
101~200円 20
201~300円 14
301~400円 11
401~500円 4
501~600円 3
601~1000円 3
1001~2000円 2
2001~3000円 3
3001~4000円 2
4001円以上 1
表2●Google Playの「交通」カテゴリにおける、「人気(有料)」上位87アプリの価格帯(2013年9月10日時点)
価格帯 ランクイン数
~100円 14
101~200円 28
201~300円 19
301~400円 9
401~500円 5
501~600円 2
601~1000円 3
1001~2000円 1
2001~3000円 2
3001~4000円 4
4001円以上 0

 いずれのカテゴリも、必ずしもナビゲーション関連アプリだけを含んでいるわけではないため、低価格のアプリが多くを占める結果となっている。だが一方で、500円を超えるアプリ(表のオレンジ色の部分)の数がいずれも10を超えており、その多くがナビゲーション関連アプリとなっている。こうした点からも、アプリマーケットの中では、ナビゲーションアプリが比較的高価格で流通していることが分かる。