- なぜ、日本ではiPhoneがこれほど人気なのか
- 「MNP(携帯電話番号ポータビリティー)純増数」の本質
- ドコモのiPhoneで変わる「値引き競争」
- 「ツートップ」の成果はiPhoneで加速する
- 「iPhoneワントップ」事業者がいなくなる
- ドコモは結果を求められる
なぜ、日本ではiPhoneがこれほど人気なのか
世界各国で、スマートフォンの普及が進んでいる。国内で人気のスマートフォンの多くは、「グローバルモデル」と呼ばれる海外でも広く販売されている端末である(日本向けのチューニングが施されている場合はある。端末の対応周波数を国内向けにするなどのほか、ワンセグ機能を内蔵するなど)。
世界全体のスマートフォンの販売台数を見ると、メーカー別では韓国サムスン電子が1位、米アップルが2位となっているが、実は国・地域によってスマートフォンの売れ筋は大きく異なる。iPhoneのシェアが高い市場の代表は、米国と日本である。
日本のスマートフォン市場におけるメーカー別シェアにおいて、アップルのシェアはこの1年で大幅に伸びている。KDDIが「iPhone 5」を市場に投入する前の2012年7-9月期では24.9%だったが、2013年4-6月期では36.1%となっている(IDC調査)。
米国市場でもアップルのシェアが高い。Kanter world panelの調査では、2013年4-6月期の米国スマートフォン市場におけるiOSのシェアは43.4%(Androidは51.1%)。一方で欧州主要5カ国合計のiOSのシェアは17.9%(Androidは69.1%)となっている。
欧州や米国では、iPhone 4SやiPhone 4といった型落ち端末も、iPhone 5と並行して販売している。2年契約であれば「0.99ドル」「1ユーロ」で提供していたりする(写真1、写真2)。LTE網の整備がまだあまり進んでいない欧州市場においては、iPhone 5の魅力である「LTE対応」が生かしきれないという側面もある。