経費精算のときについて回る領収書。日本では制度上、原本管理が必要なため、経費精算の際に必ず提出を求められる。そんな紙の領収書とくくりつけられてきた経費承認プロセスを、スマートフォンのデジタルカメラで撮影したイメージを使って簡素化するサービスがある。コンカーが提供する米国生まれの「Concur Expense」だ。
領収書をシステムに登録する際の手順はこうだ。コンカーが提供するスマートフォン用のアプリで手元にある領収書を撮影(写真1)。このイメージデータに、スマートフォンから金額や日付など必要情報を付け加えるだけだ(写真2)。
使い勝手の良いインタフェースとなっており、1枚の領収書にかかる処理時間は1分程度で済む。カメラを一体化したスマートフォンを使うため、イメージを簡単に扱える。「パソコン同じことをやろうとすると、スキャナで領収書を読み取って、それをメール経由で受け取ってから、画像をアプリに貼り付けるなどかえって手間がかかる」(コンカーの三村真宗社長、写真3)。
個人のスマートフォンやタブレットから利用できるため、入力場所を選ばない。従業員は社内のあるパソコンからしか入力できないといった、企業の経理システムにありがちな制約から解放される。
会社の経費精算でConcur Expenseを使っているあるユーザーは、「領収書が発生した直後の移動中にカメラで撮影して、すぐに承認を依頼している。操作性もよく、非常に便利なサービス」と高く評価する。
しかもデータはすべてクラウドに蓄積されるため、いったんシステムに登録したデータは、どこからでも参照や修正ができる。移動中や外出先などでちょっと空いた時間を有効活用して経費の入力ができるわけだ。