サムスン電子の「GALAXY Note」シリーズに代表される「ファブレット」と呼ばれる製品が、海外で注目を集めている。これは、主にスマートフォンやタブレットと同じOSを搭載しながらも、両者の中間の「5インチ以上・7インチ未満」のディスプレーを備えた端末のことだ。大きさが「Phone」と「Tablet」の中間なので、「Phablet」というわけだ。

 日本ではあまり注目されていないファブレットが、海外で人気を高めているのはなぜか。また、ファブレットが日本でブレイクする可能性はあるだろうか。

ファブレットが注目されるようになった経緯

 ファブレットが注目されるようになったきっかけは、スマートフォン市場で大きな世界的シェアを占めるサムスン電子が、5.3インチのディスプレーを搭載し、ペンによる操作が主体の「GALAXY Note」を、2011年(日本市場向けは2012年)に投入したことが大きい。

 同端末の投入以降、サムスン電子はファブレット市場の開拓に力を入れており、翌年にはディスプレーサイズを5.5インチに拡大し、ペン操作に改良を加えた「GALAXY Note II」を発売している。

 一方、LG電子も4:3のディスプレイを採用した「Optimus Vu」を投入するなど、他のメーカーからもファブレットクラスの端末が登場。これによってファブレットの市場が徐々に形成されていった。

 実際、サムスン電子のお膝元である韓国では、画面の大きさが受け入れられてファブレットが幅広い層に浸透。韓国内の販売シェアで拮抗していたアップルからユーザーを奪い、さらにリードを広げる要因の1つにもなった。筆者も何度か韓国を訪れているが、その度に街中で男性だけでなく、女性もファブレットクラスの端末を使用している様子をよく見かける。

ファブレットに力を入れるサムスン電子は、「GALAXY Note」「GALAXY Note II」を日本市場に投入、大々的なプロモーションを実施するなど市場開拓を進めている
ファブレットに力を入れるサムスン電子は、「GALAXY Note」「GALAXY Note II」を日本市場に投入、大々的なプロモーションを実施するなど市場開拓を進めている
ファブレットに力を入れるサムスン電子は、「GALAXY Note」「GALAXY Note II」を日本市場に投入、大々的なプロモーションを実施するなど市場開拓を進めている
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