来春のWindows XPサポート終了に向けて、その周辺ビジネスが活発に動き始めている。しかも、そのビジネスは正負両方向に展開されている。
正は、Windows 7やWindows 8への移行を支援するビジネスで、データなどを新しいOSやアプリケーションが稼働する新しいPCに移行し、それまでXP環境でこなしてきた業務を新しい環境でこなせるようにするというものだ。業者側ですべての作業を引き受けるタイプのものから、ユーティリティだけを提供するというものまでさまざまだ。XPの全盛期のことを思えば、ストレージのGBあたり単価は大きく下落しているので、場合によっては1000円でおつりがくるようなSDメモリーカードで用が足りる場合もあるだろうし、100円ショップで購入できるLANケーブルで新旧双方のPCを接続し、臨時のネットワークでデータを移せる場合もある。
負のビジネスとしては、XPのサポート終了後、MicrosoftがXPに対して提供しなくなる脆弱性に対する対策を、セキュリティソフトなどでカバーするというものがある。どうしてもXPを使い続けなければならない理由がある場合には、こちらの方法を選ぶしかない。
延命処置はあくまでも延命、完治はしない
前者の方法をとれば、時間や手間がかかるし、当たり前のことだが前者、後者ともにコストが発生する。しかも、後者のコストは未来永劫継続的に発生するだろうし、いつかはそのサポートも打ち切られる日がやってくることを覚悟しなくてはならない。延命処置はできたとしても、完治には至らないということだ。見かけのコストは安上がりに見えても、最終的に必要なコストは膨大なものになるかもしれない。
現場によっては、残さざるを得ないXP環境のネットワークを、インターネットはもちろん、通常ネットワークからも完全に隔離して作業し、発生したデータを移行する方法だけを考えるということもできるかもしれない。
いろいろな方法はあるが、大事なことは業務を止めないということだ。そのためのシナリオ作りを綿密に行い、リハーサルを繰り返そう。
Windows XP終了まであと32週。
フリーランスライター