全国に日々、深刻な被害をもたらすゲリラ豪雨。電車が止まったり、約束に遅れたりした際に頼りになるのは、携帯電話だろう。家や友人、取引先に状況を知らせることで、安心感が高まる。

 「つながりやすさNO.1」。スマートフォンの通話接続率やパケット接続率で1位を誇るソフトバンク。かつては、つながりにくい電話会社とされたが、見事にそれを解消した。その陰には、データサイエンティストの活躍があった。

 「つながりやすさナンバーワンは、ビッグデータ分析によって実現できた」。ソフトバンクの孫正義社長はこう公言する。ソフトバンクの子会社であるソフトバンク モバイルは、月6億件のスマートフォンアプリの通信ログなどのデータを分析。その結果に基づいて電波改善を進め、接続率を劇的に高めた。

 スマホ通話接続率は2012年7月時点では、NTTドコモとauを大きく下回り3位だったが、2013年4月は98.6%で1位になった。電波が届きやすい周波数帯「プラチナバンド」対応のスマホパケット接続率も96.8%で首位である(図1)。

図1●スマートフォンのつながりやすさで1位に
図1●スマートフォンのつながりやすさで1位に
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 「通信基地局を闇雲に新設したわけではない。基地局計画の最適化を図るため、データ分析という科学的なアプローチを取ったことで、接続率1位という結果を出せた」。ソフトバンク モバイルで通信基地局の増強・新設計画を立案するモバイルネットワーク本部エリア品質管理部の水口徹也部長代行はこう明言する。