スマートフォン業界における各メーカーや通信事業者を擬人化した、週刊アスキーで好評連載中の漫画の単行本。これが第1巻となる。

 各端末メーカーのイメージを巧みにキャラクターに反映しており、それだけでも笑える。例えばソニーモバイルコミュニケーションズであれば、紅茶を好むどこかツンとした「品川ソニア」というキャラに、富士通であれば、少し不幸そうな大和撫子の雰囲気の「不二 通」といった具合だ。

 これだけならオタク向けの漫画で終わるところだが、例えば自社工場を売却し海外に委託生産するといった、スマホ業界で起きている様々な動きをスト―リーに落としこんでおり、そのマニアックさに唸らされる。これは監修を担当したケータイジャーナリストの石野純也氏の手によるところが大きいのだろう。下手な業界解説本以上に内容は濃い。本誌の読者にもぜひ手にとっていただきたい1冊だ。

花のアンドロイド学園 Vol.1


花のアンドロイド学園 (1)
加山 紀章 著
アスキー・メディアワークス発行
998円(税込)