ユーザーインタフェースの開発方法について解説した書。対象として、PCやスマートフォン/タブレットなどのアプリケーション開発を想定している。リサーチ、デザイン、インプリメンテーション(実装)という三つの開発工程ごとに、「何をすべきか」「どのように考えるべきか」を記した。

 本書では、何をすべきかを「テクニック」、どのように考えるべきかを「アイデア」と呼んで区別している。例えば、デザイン工程のテクニックとして「スケッチとプロトタイプ」「ペーパープロトタイプテスト」などが、アイデアとして人間の動作をモデル化した「フィッツの法則」などが並ぶ。

 豊富な図版を用いて良い例と悪い例を挙げており、著者の主張をイメージしやすい。アプリケーションだけでなく任天堂のゲーム機やマウスなども取り上げている点も本書の特徴の一つといえる。アプリケーション開発者にとって一読する価値がある一冊だ。

インタフェースデザインの実践教室


インタフェースデザインの実践教室
Lukas Mathis 著
武舎 広幸/武舎 るみ 訳
オライリー・ジャパン発行
3150円(税込)


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