米Red Hatは、OpenStackを核に据えるというクラウド戦略を発表、(関連記事)、日本でも本格的な提供を開始した(関連記事)。Red HatのCTO/ワールドワイドエンジニアリング担当Vice President Brian Stevens氏は「OpenStackはRed Hatの未来だ」と、OpenStackにかける意気込みを語る。

(聞き手は高橋 信頼=ITpro


Brian Stevens氏

OpenStackの最新バージョンGrizzlyでは、Red Hatが企業として最も多くの貢献を行ったという。どのように実現したのか。

 OpenStackに関わっているRed Hatのエンジニアは約100人いて、うち直接Grizzlyに貢献したのは約30人いる。コードを書くエンジニア以外にも、品質管理やドキュメンテーションを行っているエンジニアもいる。

 貢献したのはOpenStackをRed Hat Enterprise Linuxに適応させるための修正ではない。例えばOslo(OpenStack Common Libraries)というプロジェクトを立ち上げた。OpenStackの様々なモジュールでライブラリを共有しコードを再利用できるようにするリファクタリングプロジェクトだ。これによりOpenStack全体のアーキテクチャをクリーンナップし、保守性や信頼性を高めることができる。

 OpenStackはRed Hatにとってどのくらい重要なのか。

 我々は、OpenStackはRed Hatの未来だと信じている。

 なぜなら、OpenStackはオープンであり、エンタープライズデンターセンターのために設計、Red Hat Enterprise LinuxとKVMとも親和性が高い。これまでOSとミドルウエアを提供していた我々と顧客との関係を、さらに深く広いものに変えるだろう。

 OpenDaylight Projectに参加した。Red Hatはどこまで本気なのか。

 OpenDaylightはまだアーリーステージだが、適応範囲はきわめて広い。2013年の末に、最初のコミュニティリリースが提供される。OpenDaylightが成熟してきた段階で、OpenStackのネットワークの選択肢となるだろう。