今アメリカで最も元気なアクセラレータの1社が500 Startupsである。アクセラレータとは、ベンチャー・キャピタルの一形態であるが、投資するだけでなく、指導や教育を通じ、若い企業を短期間で加速度的に育てる機関。これまでに500 Startupsから育った企業にはTwilioがある。Twilioはクラウド・コミュニケーション技術を開発しており、1億ドル超の投資を受け、IPOが近いと噂されている。

 500 Startupsの参加企業は、アクセラレータ・プログラムの最後に開発した製品をベンチャー・キャピタルの前でアピールする。このイベントはDemo Dayと呼ばれ、投資を受ける場となるだけでなく、全米にデビューする登竜門となっている。

Demo Day参加28社のうち15社が米国外から

 今期のDemo Dayは、2013年7月24日、Microsoftのシリコンバレー・キャンパス (最後の写真) で行われ、六期生28社が、アクセラレータ・プログラムで開発した自慢の製品を、ステージ上でアピールした。

 参加28社のうち15社がアメリカ以外からの参加で、今期は、国際化が一気に進んだ。アメリカ企業がマイノリティとなり、新興国の頭脳がシリコンバレーに集結した形となった。

 ステージ上で500 Startups創設者のDave McClureが、軽妙なタッチで進行役を務め、起業家は軽快な音楽とともにステージに登場し、国際色豊かに、製品を紹介した。客席からは、拍手や歓声や黄色い声が飛び交い、会場が一体となって、プログラムが進行した。投資を受けることができるかどうかの重要な局面であるが、技術発表会の深刻な雰囲気とは対局で、お祭り騒ぎでイベントが進んだ。

 上の写真はDemo Day最後のシーンで、参加企業すべてがステージに上がり、無事にデモが終了したことを祝って、客席に手を振っている様子である。この遊び心やノリの良さも、革新的な技術が登場する土壌となっている。各国から優秀な人材が集い、未来を熱く語り、若いエネルギーが爆発したイベントとなった。