第4回は、JavaScript+konashi.jsの応用例として、海外の音楽配信プラットフォーム「SoundCloud」とkonashiを連携させたスマホ・タブレット時代のガジェットのプロトタイピングに挑戦します。

konashiとSoundCloudのWebコンテンツを連携

 第1回でも述べた通り、スマホ・タブレット端末には数多くの魅力があります。筆者はテクノが好きで海外の音楽配信プラットフォーム「SoundCloud」をよく利用しています。公式アプリも公開されており、いつでもどこでもSoundCloudにアップロードされたアーティストのトラックを楽しむことができます。「端末自体に十分な処理能力がある」「Webコンテンツと連携できる」「身につけながら利用できる」。これらがスマホ・タブレット端末の大きな魅力だと思います。

 また、スマホ・タブレット端末が従来のフィーチャーフォンと大きく異なる点が「タッチインタフェース」の採用です。これにより、本体を一枚のタッチデイスプレイのような形状にすることができ、ボタンの配置などインタフェースデザインやインタラクションの形までソフトウエア側で自由に設計することが可能となりました。

 リスト化された「トラック」をスワイプで選びながら選曲する様は、まさにCDショップでジャケットを手がかりに目当ての作品を探すような感覚で非常に楽しくなります。

タッチインタフェースのメリット/デメリット

 しかし、その一方でタッチインタフェースには物理的なボタン入力がありません。入力操作に対する身体的なフィードバックがなく、常に視覚補助が必要となる「ながら操作」となるため、歩行中、移動中、運動中などの状況で困難さが残ります。

 筆者もジョギング中や歩行中にちょっとした操作ができず、歯がゆく思うことが多々ありました。これは何とか解決したいところです。

タッチインタフェースのデメリットを解消するために

 タッチインタフェースのデメリットを解決するアイデアとして、特殊なタッチパネルから触感を身体的にフィードバックする研究が有名です。Disney ResearchのOliver Bau氏らは「Tesla Touch」と呼ぶ、ディスプレイ-指先間に発生するElectrovibration現象を利用したディスプレイを開発しました。このディスプレイは、指のなぞり運動にそってElectrovibration現象によってテクスチャなどの触感を表現します。

 とはいえ、iPhoneのディスプレイを丸ごとTeslaTouchに取り替えることは工数的に現状、困難です。そこで本特集では、スマホ・タブレット端末と「シンクライアントな物理スイッチ」を組み合わせることで、タッチインタフェースの困難さを克服する方法を提案します。「シンクライアントな物理スイッチ」とは、すなわち「単純にスイッチを外部に増設したガジェットを作りましょう」という提案です。スイッチに一定の機能が割り当てられているのが分かっていれば、歩行中、移動中、運動中であっても、スイッチの感触、押下の際の触感で簡単に操作できるはずです。