では、XPからWindows 7へ移行するときの注意点(落とし穴)を見ていこう。まずは、「ネットワークにつながらない/遅い」だ。

 これは、XPで使っていたファイル共有サーバーやNASに、移行後アクセスしようとしてもアクセスができない、できてもデータ転送速度がXPのときより格段に遅いといったトラブルである。アクセスできない場合によくある原因が、「LanManager(ランマネージャー)認証のレベルが異なる」ことだ(図1)。XPとWindows 7以降で初期設定が変更された結果起こる。

図1●LanManager認証のレベルが異なる
図1●LanManager認証のレベルが異なる
ファイル共有サーバーにアクセスできないときは、認証設定を確認しよう。認証方法が同じでも、レベル設定が異なるだけでアクセスできない。
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 Windowsではファイル共有サーバーなどのリソースにアクセスする際、LanManager認証という認証方式を利用している。この認証方式の設定がアクセス元とアクセス先で異なっていると、アクセスができなくなる。Windows 7とXPでこの初期設定が異なる結果として、XPで使っていたファイル共有サーバーなどにWindows 7からアクセスできないトラブルが起こる。

 Windows 7のLanManager認証の初期設定は、「NTLM v2」になっている。一方、XPは「NTLM v1」である。XPからの利用を前提で構築したファイル共有サーバーでは「NTLM v1」になっていることが多い。本来であれば、サーバー側の設定を変更すべきだが、一部のNASなどはこの設定を変更できない。そういった場合は、図1の下で示した手順で設定を変更する。