前回、ソーシャルリスニングの6つのステップを紹介しました。最初の3ステップまでは既に説明しましたので、今回は後半を見ていきます。
STEP4:大きな“流れ”を分析する
ここで最初にやるべきことは、大きな“流れ”を把握することです。大きな流れとは「数量がどれくらいあるのか」「時間推移はどうなっているのか」「他の“固まり”と比べて変わった特徴はないか」といった、直感的にイメージしやすい基本的な事項です。この分析を、ギックスでは「概況分析」と呼んでいます。
それでは概況分析を行う際のメソッドを例示します。
(1)件数をみる
分析対象として、何件のデータが登録されているのかを確認します。これが「関心の大きさ」を意味します。
大きければいいというものではありませんが、あまりに小さいと、頑張って傾向を分析するよりも全件を読んだ方が早いといえます。合計数が1000件程度であれば、分析に時間をかけるよりも、全件にざっと目を通すことをお勧めします。
もちろん、データ期間が長くなれば、データ件数も増えていきます。1日100件の情報は1週間なら700件程度で全部読めますが、1カ月では3000件、3カ月では約1万件となっていきますので、投入工数と得られる示唆の効率の視点から、概況分析に入っていくのが望ましいでしょう。
(2)時間の推移で見る
次に時間推移を確認します。この時に注意したいのは「適切な時間区切りで見る」ことです。
一般的には、1日ごとの推移で見ていくことが多いのですが、曜日による変動などが明らかにある場合は、週ごとの推移で見ると新たな発見があるかもしれません。
例えば、コンビニのおにぎりの評判分析を行う場合、「新商品発売は火曜日」というような業界特有の規則性があれば、火曜日から月曜日までの1週間を一区切りとした方がよいかもしれません。
さらに細かく時間単位や分単位で分析したり(テレビ番組やイベントの反応分析など)、曜日別に比較してみたり(ラジオのパーソナリティーが曜日別に違う場合など)することにも、意味がある場合があります。この推移の単位を可変にしていくことで「面白い発見」ができる場合が多いのです。
仮に1カ月で数百件程度の少ないデータの場合でも、時間推移で見ることが有益である場合があります。日次推移で見た際に、通常1日20~30件だったものが、1日100件に増加している場合は、「その日に何か増加する要因があった」ことになります。