いわゆる企業情報システムの世界はなにかと制約が多い。情報が漏洩しないようにセキュリティ対策が必要だし、きちんとした手順で物事を進めていると証明するために記録をとっておかなければならない。情報システムが止まらないように二重化を施すといった工夫も欠かせない。
何より厄介なのは、企業が長年にわたって開発してきたソフトウエアと、蓄積してきたデータを継続して使えるようにすることだ。過去の資産を捨て去ってよいなら、もっと大胆な取り組みができるがそうはいかない。
制約の多い世界にずっといると頭が固くなる危険がある。頭を柔らかくするには、制約がない新しい世界に触れ、コンピュータ利活用の可能性がほぼ無限大であることを実感するとよい。
もっとも企業情報システムの担当者たちは忙しく、新しい世界に触れる時間をなかなかとれない。代替案は異分野でコンピュータを利活用している人の取り組みを知ることだ。
まったく異なる分野の視点を持つために参考になるプロフェッショナル15人の発言を紹介する。
漫画家、画家、棋士、出版者、発明家、研究者、アニメーターなどなど、センスが問われる仕事をしている人たちのパートナーとしてコンピュータは活躍している。
我らプロフェッショナル 世界を元気にする100人
赤松健氏
Jコミ代表/漫画家
「電子書籍は読み放題か無料になる」
加藤久和氏
日本放送協会 メディア企画室 専任局長
「ハイブリッドキャストは広がりをもたらす」
金子知適氏
「GPS将棋」開発メンバー
「人間から学び、人間を支援する人工知能を」
喜連川優氏
東京大学生産技術研究所教授、国立情報学研究所所長
「“1000倍高速”なら世界は変わる」
栗原一貴氏
SpeechJammer共同開発者
「性格的に試行錯誤が好きなんです」
杉本誠司氏
ニワンゴ代表取締役社長
「選挙の裏側も丸ごと見せたい」
鈴木みそ氏
マンガ家
「でっかい風車に何度もヤリを刺していたら、今回は当たりました」
高橋征義氏
達人出版会 代表取締役/日本Rubyの会 代表理事
「欲しい出版社を自分で作った」
松浦裕暁氏
サンジゲン代表取締役
「まったく絵が描けない人でもアニメを作れる」
森栄樹氏
アノドスCEO
「ネットサービスとハードの両方を手がけなければ創造的な製品を生み出せない」
森正弥氏
楽天執行役員
「ビッグデータと機械学習が情報活用のパラダイムを変える」
渡辺明氏
将棋棋士 竜王・棋王・王将
「コンピュータの視点は純粋。ただし判断が完璧というわけでもない」
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