「震災10年後の2021年までに、石巻で1000人のIT技術者を育成する」という目標を掲げる団体がある。「イトナブ石巻」という団体だ。そのイトナブ石巻が、宮城県石巻工業高校、一般社団法人 ISHINOMAKI2.0とともに7月26日~28日にかけて石巻で開催したイベントが「石巻ハッカソン」である。
「ITで石巻を復興する」---。その目的のために、地元の高校生や技術者だけでなく、全国から手弁当で第一線のIT技術者が参加し、アプリの開発を学び、あるいは伝授し、あるいは3日間でアプリを作り上げてITの持つ力を伝えた。まったくの初心者だった高校生が、3日でアプリを作れるようになり、人生の新しい可能性を拓いたといった成果もあった。
この石巻ハッカソンに参加したのが、大阪市のソフトウエア開発会社、シーリスの代表である有山圭二氏だ。有山氏に、石巻の“熱い夏の3日間”を詳しく伝えてもらおう。
石巻ハッカソンへの招待
ある日、Facebookを開くと、友人の高橋憲一氏から、メッセージが届いていました。
東京で仕事をしている高橋氏は、東日本大震災以降、たびたび被災地に足を運び、石巻を、東北を元気にしようと様々な活動を続けています。
彼の活動の中でFacebookやGoogle+に投稿される写真に写っている人たちは、みんな笑顔で楽しそうで、また、近況として時折語られる「奥さんからの辛辣な一言」に若干のハラハラ感を抱きつつ見ていた僕は、なぜそんなに熱心になれるのかと不思議に思い、「今度何かイベントをすることがあれば声をかけてください」と、お願いしていたのです。
高橋氏は、そのことを覚えてくださっていて、こうしてメッセージをくれたのです。この機会に参加しないわけにはいきません。僕は、少しばかり早い夏休みを取ることを決めました。
それにしても...「どや部門」って、なんでしょう?