2013年7月29日に放映された日本テレビのバラエティ番組「人生が変わる1分間の深イイ話」で放映されたスマートフォンアプリの特集が、アプリマーケットに大きな影響を及ぼしたとして、マーケット関係者の話題を呼んだ。実際、紹介されたアプリのランキングが大幅に上昇したほか、利用者が劇的に増加してサービスにまで影響を与えたアプリも現れている。

 実際、このバラエティ番組の放映によって、アプリマーケットにはどのような影響があったのだろうか。放送後3日間のマーケット動向からその影響を確認してみよう。

ゴールデンタイム番組のアプリ特集が大きな影響をもたらす

 ここのところ大きな動きがなかったアプリマーケットだが、7月29日に大きな変化をもたらす出来事が起きた。それは、日本テレビが毎週月曜の21時に放映しているバラエティ番組「人生が変わる1分間の深イイ話」で放映されたスマートフォンアプリに関する特集である。

 この特集では、アプリの使い方をVTRで紹介したり、芸能人のプレゼンターがお気に入りのアプリを実際に使って紹介したりするなどして、その内容をパネラーが評価するというスタイルで番組が進行。iOSとAndroid合わせて計21のアプリが紹介された。

 同番組では何度かスマートフォンのアプリに関する特集を組んでおり、過去にもマーケットに多くの影響をもたらしている。ゴールデンタイムの放映ということに加え、プレゼンテーション形式でアプリの特徴を分かりやすく説明するスタイルから、ユーザーの反響やアプリのダウンロードにつながりやすいようだ。

写真1●番組への露出で人気が急上昇した「ノハナ」
写真1●番組への露出で人気が急上昇した「ノハナ」
利用者の急増で障害が頻発。Google PlayやApp Storeにはアクセス集中に関するお詫びが掲載された。
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 そして今回の特集においても、紹介されたアプリのダウンロード数がマーケットで急上昇するなどして、大きな影響をもたらした。実際、紹介された21アプリのうち、Android専用の3本を除く18アプリは、筆者が確認する限り、前日までApp Storeの有料・無料ランキングの上位40位以内に入っていなかった。だが番組放映翌日には、それらアプリのうちいくつかが、10位以内にランクインするなど、大幅なダウンロード数の上昇を見ることができた。

 従来幅広いユーザーにリーチできていなかったアプリが、テレビの影響で急速に注目を集めることの影響は計り知れないものがある。実際、番組で紹介され、7月30日にApp Storeのトップ無料で1位を獲得したミクシィのフォトブックサービス「ノハナ」(写真1)は、紹介後アクセスが集中してサービスが利用しづらくなるなどの障害が発生。7月31日にはアルバムの注文機能を一時停止するなど、人気が急速に高まった一方で、想定を超えた人気ぶりから、システム運用にも大きな影響が出たようだ。