小中学生向けプログラミングスクールを運営するTENTOは、2011年4月から「デザイン型人材」の育成を掲げ、プログラミング塾を開講している。ユニークなのは、寺子屋スタイルを取り入れた個別学習を重視し、子どもたちの好みに応じて様々な開発環境を使い分けていることだ。共同代表を務める竹林 暁氏にTENTOの活動について聞いた。

TENTOの活動について教えてください。

写真1●TENTO 共同代表の竹林 暁氏
写真1●TENTO 共同代表の竹林 暁氏
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 TENTOでは、さいたまと新宿のそれぞれで週1日、プログラミングスクールを開講しています。さいたまでは、毎週土曜日に3講座(午前、昼、夜)を開催しています。新宿では、毎週火曜日に1講座(夜)を設けています。1講座は1時間45分で、平均すると10~15人程度の生徒が参加しています。現在は小学1年生から中学2年生までの生徒がいます。料金は月謝制で、目安になりますが1万円/月をいただいています。

 また、子供たちが自ら開発したアプリケーションをプレゼンするイベント「TENTOプレゼン大会」を定期的に開催しています(関連記事)。

TENTOの活動はボランティアではないのですね。

 はい。お金を潤滑油とすることでプログラミング教育に好循環を産み出すことを目指しています。

 TENTOを2011年4月に始めて以来、これまでは共同代表の草野 真一と私の二人で運営してきました。しかし、講座数が次第に増えてきたこともあり、今年初めから我々に加えて5人の講師に協力してもらっています。ちなみに、草野と私の本業はそれぞれ、編集者とソフトウエアエンジニアです。二人とも本業と兼業でTENTOの活動を行っています。

 TENTOの原点は、草野と私の二人とも、子どもたちを教えるのが好きだったことです。以前に学習塾で一緒に講師をしていたころからの知り合いです。二人とも、子どもが新しいことを発見したり学んだりして喜ぶのが好きでした。新しい事柄、考え方に触れたときに子どもたちがすぐに反応し、楽しむ。草野と私の両方ともこれがうれしくて、プログラミングスクールを開きました。

なぜ、プログラミングなのですか。

 「デザイン型人材」、言い換えれば、知識と創造力・想像力にあふれた人材を育成するのに有効だからです。これは主に、草野の考えです。草野の思いは、米Apple社、米Microsoft社、米Google社などの米IT系企業が業界はもとより、世界経済すら動かしている。こうした状況を日本企業が打ち破るには、人材育成から始めなければいけない、というものです。

 加えて私は、学習する姿勢を身に付けるためにも、プログラミングが非常に有効であると考えています。プログラミングは、コーディングするときは一人でできますし、なによりも結果がすぐに得られます。逆に、教科学習を考えてください。歴史を勉強してすぐに何かしらの結果が得られるでしょうか。算数にしてもそうです。算数を学んだからといって、ただちに何かのフィードバックが得られるわけではありません。プログラミングは、何かを学んでコーディングしたら、その結果がすぐに分かります。間違うこともありますが、繰り返し試して修正すればよいのです。こうしたことから、物事を学ぶ姿勢を得るためにも、プログラミングは役立つと考えます。