「信頼の領域」を獲得せよ

 著者のブライアン・ソリス氏は、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)によって情報や体験の共有から生まれる影響力を「ソーシャル・エフェクト」と呼ぶ。英語の原題は「従来のビジネスはもはや通用しない」。ただ同様の主張は「コトラーのマーケティング3.0」などで既に指摘されており、日本企業不調の背景説明も陳腐さが拭えない。

 SNSで誰もが自らを中心の「エゴシステム」作り出す。消費者の関心を獲得するには企業は「信頼の領域」と呼ばれる力学を理解して場所を獲得しなければならないという。企業にとっては消費者の関心やブランドとの絆を再構築する実践戦略が参考になるだろうか。

エフェクト


エフェクト
ブライアン・ソリス 著
金山 明煥 訳
かんき出版発行
2100円(税込)


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