2013年の通信業界を占うため、今年始めに情報通信総合研究所の4人の研究員と共に座談会を実施した。その際には、2013年を占うキーワードとして「OSフリー」「マルチデバイス」「LINEのようなメッセンジャーアプリの行方」「スマ―トフォンにおける新たなインタフェース」といった事項が出てきた(関連記事:2013年はマルチデバイスの年? MSの新戦略に注目? 今年の通信業界を占う新春座談会)。

 2013年も早半年が過ぎ、指摘通り進んでいる動きもあれば、停滞しているものもある。2013年前半を振り返り、今年後半の通信業界を占うためにも、前回とほぼ同じメンバーで再び座談会を実施した。

(司会、構成は堀越 功=日経コミュニケーション

スペシャル座談会(前編)

前回実施した座談会から半年が過ぎた。この半年で新たに動いたこともある一方で、停滞していたこともある。今年前半の動きをどのように見ているのか。

岸田:半年前の話がそんなに古く感じられない。激しい競争が起きているモバイルや通信の現状からすると、ある意味驚きだ。様々なことが起こっているがトレンド的にはあまり変わっていないのではないか。

 ソフトバンクによる米スプリントの買収も、決着はこの7月まで長引いた(関連記事:ソフトバンク、米スプリントの買収を完了と発表)。しかしソフトバンクの戦略自体は2012年末から変わっていない。それがまだ話題になるくらい、他の大きなネタが無いとも言える。