ライセンス持ち込みの場合にまず把握しておきたいのが、ライセンスの課金単位だ。仮想環境が構築されたクラウドに商用ミドルウエアを持ち込む際の課金単位は大きく四つある(図1)。順に見ていこう。

図1●クラウドの仮想環境におけるライセンスの課金単位
図1●クラウドの仮想環境におけるライセンスの課金単位
ユーザー/デバイス、仮想コア、物理コア、物理プロセッサの4種類がある
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 第1に物理プロセッサ単位だ。例えばOracle Database(Processorライセンス)は基本的に、クラウドの仮想環境であっても、製品が動作する物理サーバーの全プロセッサ数分のライセンスが必要になる。

 第2の単位は物理コアである。先に説明した物理プロセッサ単位の場合と同様、クラウドの仮想環境でも物理サーバーが備える全物理コア数によってライセンス料が決まる。IBMのWebSphere Application Server(フルキャパシティーライセンス)などがこれに当たる。

 仮想コアを単位とするのが第3のケースだ。製品が動作する仮想サーバーに割り当てられた仮想コア数によって価格が決まる。SQL Server(コアベースライセンス)などでこの課金単位が適用されている。

 第4のユーザー単位の課金は、製品を使用するユーザー数によってライセンス料が決まる方式である。先に挙げたOracle Databaseは、物理プロセッサ単位以外にユーザー数単位の課金も選べる。ユーザー数が少ない場合はこちらが有効だが、エンタープライズでの利用ではメリットが少なく、物理プロセッサ単位のほうが割安になるケースが多い。