今回は「ダメなリーディング」をしてしまったため、お客様とのやり取りがスムーズにいかなかった例を紹介します。

 メール応対に日々悩まれている人は、どのような文章を書いたらよいかについて、いつも心を砕いていることが多いものです。それでも実際には、お客様に不満足感を抱かせてしまうことがあります。その理由は、リーディングポイントのズレによるところが多いようです。

 第2回の最後で「(メールを)読めない人は書けない」ことをお伝えしました。「読めない」のは実力がないからではなく、読み方を間違えているか、知らないだけです。

 忙しい業務のなかで、いかに早く返信するかにばかり重きが置かれがちですが、この連載のテーマであるお客様の心に届き、心をつかむことができるメールを書くにはまず、「お客様が何をどのように伝えているのか」を的確につかむことが重要になります。

 では早速、今回のカスタマーメールを紹介していきましょう。

【お客様からの1通目】

はじめまして。私は40才代になって小麦アレルギーになりました。そのせいで、商品の成分表示をよく見るようになったのですが、御社の【商品名】は「麦芽エキス」と書かれていて、これが大麦なのか小麦なのか悩んでしまいました。

サイトを見るとマークでアレルゲンを表示しているので分かりやすくて助かります。これをパッケージ裏にも付けたらいかがでしょうか?

私は大人なので、その場は買わないなど、それほど困りませんが、アレルギーのお子さんをお持ちの主婦の方などは、判断がしやすくなると思います。ご検討をお願い致します。