最近、「グローバル人材の育成」「英語教育」「海外留学」などのキーワードを目にする機会が多くなりました。安倍首相の成長戦略第2弾の「世界で勝つ」という目標の下、「グローバル競争に勝ち抜ける製造業の復活」「世界で勝つためにはグローバル人材を育成しなければならない」と標榜している点からきているようです。

政府主導のグローバル人材育成に1兆円

 「自由民主党 教育再生実行本部 成長戦略に資するグローバル人材育成部会提言」(平成25年4月8日)というリポートがあります。この「教育再生実行本部」とは、2012年10月に自民党総裁の安倍氏が、経済再生と教育再生を日本再生の要として位置づけ、直属機関として発足させたものです。

 この提言内容の中で、グローバル人材の育成に関連するところを要約しますと、「安倍内閣の掲げる経済再生には、人材養成が不可欠」「成長戦略実現上、投資効果が最も高いのは教育」「結果の平等主義から脱却し、トップを伸ばす戦略的な人材育成」「学び直しや土曜日の活用などによる徹底した底上げ」とありました。さらに「グローバル人材育成のための“3本の矢”」をうたっており、「英語教育の抜本的改革」「 イノベーションを生む理数教育の刷新」「国家戦略としてのICT教育」が挙げられています()。

図●グローバル人材育成のための方策(自民党のサイトより)
図●グローバル人材育成のための方策(自民党のサイトより)
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