COMPUTEX賞(OESF=Open Embedded Software Foundation賞)は、グローバル市場、特にアジア市場での展開を目指すアプリを表彰するもの。受賞作の作者は、台湾で2013年6月に行われた「COMPUTEX TAIPEI 2013」のセミナー「COMPUTEX TAIPEI Nikkei BP FORUM」で作品をアピールした([COMPUTEX 2013]Android Application Awardの受賞者が講演、中国語も交え作品紹介:ITpro)。世界を目指す3つのアプリ、「USBカメラアプリ」、「オベントーバコラー」、「どこでもタイムカード@NFCタグ 」を紹介する。

<Computex賞>USBカメラを外付けできる「USBカメラアプリ」
作者:インフィニテグラ株式会社

 スマートフォンやタブレットは、ほとんどの機種にカメラが内蔵されている。しかも、インカメラとアウトカメラの2つを搭載しているものがほとんどだ。これによりカメラが非常に身近なものになったが、基本的に手持ちで撮るということには変わりはない。たとえば、パソコンでよく使用するWebカメラをスマートフォンなどにつなげられればと考えたことはないだろうか? そんな思いを叶えてくれるのが、インフィニテグラの「USBカメラアプリ」だ。

写真●USBカメラアプリ
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 Android OSには、もともとUSBホスト機能が用意されている。つまり、Android端末にUSBの周辺機器を接続することが可能になっている。しかし、この機能を有効にするには、Androidスマートフォンの「root権限」を得ることが条件となる。root権限とは、パソコンで言う「アドミニストレーター権限」のようなもので、OSのすべてを自由に変更できる権限のこと。通常、Androidスマートフォンでは「ユーザー権限」になっているため、機能を有効にするといったことはできない。

 root権限を得るには、Androidスマートフォンを「改変」する必要があり、それなりのプログラミングの知識が必要だ。しかし「USBカメラアプリ」では、root権限を得ることなく、外付けのUSBカメラを使えるようにしていることが最大の特徴だ。本アプリをインストールし、USBコネクタにWebカメラを接続することで、Webカメラをスマートフォンのカメラとして使用できるようになる。もちろん、パソコン用のUSBコネクタをスマートフォン用のミニUSBコネクタに変換するといった作業は必要になるが、ハンドフリーでWebカメラを使えるメリットは大きい。

写真●USBカメラアプリの画面
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 ただし、現時点で動作が確認されているWebカメラは、ロジクールの3製品とサンワサプライの1製品のみとなる。それでもHD画質(1280x720ピクセル)で使用できる機種もある。本アプリは有料だが、無料の試用版も用意されているので、まずは試用版で手持ちのWebカメラが動作するか確認してみよう。また、動作検証が行われたWebカメラの情報は公式サイトなどで公開されていくと思われるので、こまめにチェックするといいだろう。