A3 2013のNFC賞に輝いた作品は、知育アプリ「IMAGINA CHIP」、お手伝いを楽しくするアプリ「iico」。Androidスマートフォンの標準機能となりつつあるNFCを活用するアイデアが光る2作品を紹介しよう。

<優秀賞>積み木感覚で英語と遊べる知育玩具「IMAGINA CHIP」
作者:HACKist(博報堂アイスタジオ)

 NFCカードというと、交通系に代表される決済用のカードのイメージが強い。そんな既成概念を打ち破ったのが、HACKist(博報堂アイ・スタジオ)の「IMAGINA CHIP」だ。本アプリは、積み木で遊ぶような感覚で遊びながら、子供が英語に親しめるアプリで、NFCを埋め込んだ木製チップとセットになった知育玩具となっている。

 木製チップにはAからZまでの文字が書かれており、埋め込まれているNFCにも文字情報が登録されている。木製チップを並べ、アプリを起動してスマートフォンをかざすことで、木製チップの組み合わせを文字列として認識する。これにより、木製チップで作成した単語をアプリでも読み込めるわけだ。

写真●IMAGINA CHIP
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 アプリには「クイズモード」と「フリーモード」が用意されている。「クイズモード」を起動すると、イラストとその名前の文字数が表示される。その「名前当てクイズ」に木製チップを並べて答えるわけだ。答えを並べたらスマートフォンをかざすことで、正解かどうかの結果が表示される。

 一方、「フリーモード」は、好きなように並べた木製チップにスマートフォンをかざして読み込み、その単語の翻訳を行うことができる。単純に翻訳してくれるだけではなく、関連画像を調べることもできる。

写真●木製チップを並べスマートフォンをかざす
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写真●文字を読み込んだところ
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写真●言葉の意味と関連画像を検索できる
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写真●意味と画像の検索結果
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 木製チップを並べるという「手触り感」のある遊びを通じて、スマートフォンでの翻訳や関連画像の表示というデジタル機器ならではの広がりも楽しめる。本アプリを実際に使用し、遊んでみると、「アナログ感を残しながら、デジタルと上手く融合させることで体験を広げていく」という開発者の意図が、見事に具現化されていると感じられる。

 今後は、例えばだが、チップの形のバリエーションを増やしたり、チップではなく積み木にしてみたりと、さらに「おもしろい知育玩具」へと展開させることができるだろう。