ディスプレイサイズや携帯電話回線の有無など、スマートフォンとタブレットを取り巻く環境には多くの違いがある。そのためスマートフォンとタブレットでは、人気アプリの傾向が大きく異なっている。そこで今回は、App Storeでスマートフォンとタブレットの双方のランキングにランクインするアプリのカテゴリや価格の傾向を比較。両者にどういった違いが見られるかを、より深く探ってみる。

無料アプリではいずれもゲームが強さを見せる

 タブレットとスマートフォンではディスプレイサイズや通信回線、利用シーンなどの違いから、似たようなデバイスでありながらも人気アプリの傾向は大きく異なっている。一般的にスマートフォンでは、ゲームを中心としたエンタテインメント系のアプリの人気が高く、タブレットでは実用系や電子書籍系アプリの人気が高いといわれるが、その実態はどうなのだろうか。

 タブレットとスマートフォンとで人気のアプリ傾向は以前、本連載でも触れているが(第11回 タブレットの人気アプリ傾向はスマートフォンと何が違う?)、今回は改めて、より深堀りして比較してみる。

 具体的には、App StoreでiPadとiPhoneのそれぞれにおいて、「トップ有料」「トップ無料」「トップセールス」のランキング上位50位をピックアップ。それらが属するカテゴリの集計を取って比較する。まずは「トップ無料」の集計結果を見てみよう。iPadのランキング上位50位における所属カテゴリは図1のようになった。

図1●App Store(iPad)における「トップ無料」ランキング上位50位の所属カテゴリ(2013年7月9日時点)
図1●App Store(iPad)における「トップ無料」ランキング上位50位の所属カテゴリ(2013年7月9日時点)

 図1を見ると、iPadでも無料カテゴリは「ゲーム」カテゴリが4割以上を占めており、ゲームが多くの支持を得ていることが分かる。一方で、ゲーム以外のカテゴリは人気が分散しており、特定のジャンルに集中する傾向は見られない。ゲーム以外のアプリ利用スタイルは、まちまちといったところのようだ。

 次にiPhoneでの同様のランキングを見てみる(図2)。

図2●App Store(iPhone)における「トップ無料」ランキング上位50位の所属カテゴリ(2013年7月9日時点)
図2●App Store(iPhone)における「トップ無料」ランキング上位50位の所属カテゴリ(2013年7月9日時点)

 iPhoneの「トップ無料」ランキング上位50位の場合、ゲームカテゴリが5割を超えており、iPad以上にゲームの人気が高いことが分かる。ただゲームに続くカテゴリとして、「写真/ビデオ」「エンターテインメント」の2つが比較的多くランクインしているのがポイント。特にカメラ関連アプリは、タブレットよりもスマートフォンでの利用頻度が高いため、人気を得やすいといえそうだ。