「Iconia W3」は、日本エイサーによる世界初の8.1インチWindows 8タブレットだ。2013年6月のCOMPUTEX TAIPEI 2013における発表後、日本市場にも投入。7月11日に発売された(関連記事:Acerが世界初の8インチWindows 8タブレットを発表、関連記事:日本エイサーが世界初の8インチWindows 8タブレットなどを国内発表)。

8.1インチのWindows 8タブレット「Iconia W3」
8.1インチのWindows 8タブレット「Iconia W3」
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 これまでのWindows 8タブレットは10インチクラスの製品のみだったが、昨今では7~8インチクラスの小型タブレットの人気が高まっている。この小型タブレット市場に初めて投入されるWindows 8タブレットが、Iconia W3だ。

 今後米Microsoftは、Windows 8における小型タブレットのサポートを強化する意向を示しており、その先駆けとなる製品と言える。また、Windows 8タブレットとして初めて「縦持ち」を意識しており、これまでにない活用法が期待できる。

 今回はこのIconia W3を詳しくレビューしていきたい。

日本版はOffice 2013「Home and Business」を搭載

 今回評価するIconia W3の主なスペックを以下に示す(詳しくは日本エイサーのWebサイトを参照)。

CPU:Atom Z2760 1.8GHz
メモリー:2GB
ストレージ:64GB eMMC
GPU:Intel Graphics Media Accelerator
ディスプレイ:8.1インチ・WXGA(1280×800ドット)
OS:Windows 8(32ビット)

 Iconia W3の海外モデルは、ストレージ容量によって32GB版と64GB版の2モデルがラインアップされている。しかし日本版では64GB版のみとなった。32GB版はたしかに安価だが、Windows 8の通常利用にはやや物足りない容量と言える。日本版の64GB版における空き容量は、Officeをインストールした状態で29GBとなっている。さらにmicroSDカードによる拡張にも対応する。

 価格について、日本エイサーでは6万円前後を想定しており、原稿執筆時点で予約を受け付けている店舗でも6万円前後となっている。一方、海外モデルは64GB版が430ドル(1ドル100円換算で4万3000円)程度で販売されており、国内外で1万7000円程度の価格差がある。

 この価格差は、プリインストールされるOfficeの違いが原因となっている。海外モデルでは、「Office Home and Student 2013」がバンドルされる。しかし日本ではHome and Studentが存在しないため、より上位のエディションとなる「Office Home and Business 2013」が採用されている。

 両者はライセンス上の違いがあり、Home and Studentは家庭や学業における利用に限定され、「仕事」には利用できない。一方、日本版はHome and Businessのため、ライセンス面でも問題なく仕事に利用できる上に、Outlookも付属する。Iconia W3をビジネス利用したい個人ユーザーには嬉しい仕様だ。なお、Office 365やボリュームライセンスを導入している法人ユーザー向けに、日本エイサーは法人向けモデルを別途販売する予定という。

 このように日本版には海外版にないメリットもある一方で、iPadやAndroidの小型タブレットと比較すると、割高な印象も受ける。Office非搭載モデルなど、より安価な選択肢があればなお良いだろう。