ソーシャル時代の経営戦略

 ソーシャル時代の企業は顧客から「心を許され」「信頼される」「プライバシーを預けられる」存在になることが重要な戦略という。個人や企業の間に立って信頼を仲介するプラットフォームとなる企業が強くなり、信頼こそが資産というわけだ。費用をかけてコマーシャルを見せ、ブランドへの信仰を刷り込んできた従来の社会とは大きく異なる。

 一方で著者は、ネットを通じた多様なつながりから生まれるイノベーションを創発と呼び、そのコントロールができないためリスクは完全には排除できないと言う。

 1つひとつの指摘は目新しくはないものの、企業戦略を平易に論じた意義はある。

ソーシャルな資本主義


ソーシャルな資本主義
國領 二郎 著
日本経済新聞出版社
1890円(税込)