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新刊・近刊

アジャイル開発とスクラム

顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント

2013/07/16 日経コンピュータ
出典:日経コンピュータ  2013年6月27日号p.138
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 試作と評価を繰り返してシステムを完成、または成長させていくアジャイル開発の最上の入門書と言ってよいだろう。アジャイル開発の平鍋健児氏、経営学の野中郁次郎一橋大学名誉教授と、全く異分野の第一人者による共著が実現した理由は本の中で明かされる。

 アジャイル開発の代表的手法である「スクラム」は、実は日本の製造業が強かった1980年代の新製品開発手法が源流にあった。「組織をまたいで集まったチームが一体で課題に取り組む」という手法を、野中氏は竹内弘高ハーバード大学経営大学院教授との共同研究でラグビーのスクラムに例え、1986年に論文にまとめた。この論文が「アジャイル開発版スクラム」の開発に重要な影響を与えたという証言を、平鍋氏は開発者へのインタビューから引き出している。

 読みどころは多いが、その一つは、元の「製造業版」から「アジャイル版」へとスクラムの基本哲学がしっかり継承されていることを、両者の比較から検証した章である。野中氏らは製造業版スクラムの哲学と特徴を「不安定な状態を保つ」「開発フェーズを重複させる」「柔らかなマネジメント」「学びを組織で共有する」など六つにまとめた。

 例えば開発フェーズを重複させる、つまり開発を縦割りにせずメンバーが複数工程に関わる利点は、プロジェクト全体への責任感が生まれることだ。さらに成果物を文書化するのでなく、人ごと次の工程に持ち込むことで引き継ぎが円滑になる。アジャイル版もこの考え方を継承し、開発は全員一体で取り組むほか、「バックログ」「タスクかんばん」などで情報を広く共有する。一方で、工程を1週間~1カ月の固定期間で区切る「スプリント」など独自の部分もある。

 リクルートや楽天、富士通などアジャイルの導入事例も、手法実践のノウハウにとどまらず、経営や人材育成面での意義を掘り下げており参考になるだろう。経営面や組織論からもアジャイル開発の意義が理解できる、全てのビジネスパーソンに勧められる本だ。

 評者 好川 哲人
神戸大学大学院工学研究科修了。技術士。同経営学研究科でMBAを取得。技術経営、プロジェクトマネジメントのコンサルティングを手掛ける。ブログ「ビジネス書の杜」主宰。
アジャイル開発とスクラム


アジャイル開発とスクラム
平鍋 健児/野中 郁次郎 著
翔泳社発行
2100円(税込)


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